韓国の輸出額が今年も5000億㌦を突破し、世界7位を維持する見通しだ。1964年に輸出1億㌦を達成してから半世紀。輸出の伸びは5000倍に達し、世界に類を見ない急成長を遂げた。おそらく、このような輸出増大がなければ、天然資源に乏しい韓国は貧しさから抜け出せなかったかも知れない。改めて、輸出伸長に貢献した人々に敬意を表したい。
この50年間、韓国の輸出品目は様変わりした。50年代から60年代にかけては鉱物や水産物が主力輸出品だった。工業製品を輸出する力がなく、豚やネズミの毛、ゴカイやヘビ、バッタまで輸出できるものは何でも輸出した。実際、豚の毛は61年の10大輸出品目の10位に入ったほどだ。
60年代からは繊維やかつら、合板が輸出をけん引し、70年代後半には自動車輸出が実現した。80年代はテレビなどの電子製品が最大の輸出商品になり、工業製品が輸出の主役になった。現在の輸出の中心は船舶、石油製品、半導体、LCD、自動車、携帯電話などで、最近は映画やドラマ、音楽など文化産業も輸出産業化している。
振り返ってみれば、60年代から70年代にかけて当時の朴正熙(パク・チョンヒ)大統領が主宰し、経済界代表も参加した「輸出振興拡大会議」が輸出の司令塔の役割を担った。毎月1回、朴大統領はほぼ欠かさず出席し、輸出をいかに増やしていくか真剣に協議した。
当時、財務部長官だった南悳祐氏は回顧録で「24時間輸出のことばかり考える大統領がこの地球上に他にいるだろうか」と振り返ったほどだ。
朴槿惠大統領就任後、この輸出振興拡大会議が「貿易投資振興会議」として復活した。朴大統領は5月の初会議で「貿易と投資の振興は、私たち国民全員が一緒に努力しなければならない国家的な課題」と強調したが、国民的課題でもある。輸出は間違いなく韓国国民を豊かにしたからだ。
今後、輸出増大のためには輸出商品の高度化が必要不可欠で、頭脳国家を目指した取り組みを急がなければならない。また、現在は大企業が輸出をけん引しているが、中小・中堅企業が創意力を発揮して輸出企業化することが急がれよう。(S)