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2013/03/22

<鳳仙花>◆フィギュアの女王、金妍兒(キム・ヨナ)健在◆

 世界フィギュアスケート選手権で、金妍兒選手(22)が圧倒的な強さで優勝した。彼女の演技はほぼ完璧で、ほかの選手とは次元が違っていた。シャープなジャンプ、安定した着地、優雅なスピン、華麗なステップ、どれをとっても「フィギュアの女王」に相応しかった。

 金妍兒選手は、1年6カ月以上も国際舞台から遠ざかっていた。一時引退もうわさされていただけに、華麗な復活ドラマに世界のフィギュアファンは魅了されたことだろう。また、再チャレンジに取り組むスポーツ選手の真の力というものを見せてくれた。

 海外メディアの絶賛ぶりにそれは表れている。「オリンピック・チャンピオンはあたかもブランクがなかったかのように優雅な演技を見せ、観客を引きつけた」(AP通信)。 「魔法のような優勝だ」(ロイター通信)。「金妍兒の足には魂がある」(米ワシントンポスト)。

だが、喜んでばかりはいられない。金妍兒選手の優勝のおかげで、韓国は来年2月に開催されるソチ五輪に3選手が出場枠を確保したが、後に続く選手が出ていない。

 朴ソヨン選手(16)と金ヘジン選手(16)が期待されているものの、まだ世界レベルには達しない。2月に開催されたジュニア世界選手権大会で10位内に入ることができなかった。

 これに比べ、日本は違う。浅田真央に続き、村上佳菜子が4位に入る活躍を見せた。選手の層が厚く、底辺も広い。韓国は金妍兒選手一人に頼っている状況だ。

突然のように現れた金選手は、韓国でもフィギュア人気を一気に高めた。だが、4年後に韓国で開催される平昌(ピョンチャン)冬季五輪には金妍兒選手は引退している。

 後進の育成に本格的に取り組み、第2第3の金妍兒を生んでほしい。朴セリ選手に続けと続々と後進が育ち、ゴルフ王国となったように、フィギュアでもできないはずはない。(S)