韓国はこの10数年間でコーヒー市場が急拡大し、コーヒー専門店が相次いで出店、1万店をはるかに超えている。市場が拡大しているだけでない。コーヒーを淹れる専門家のバリスタや豆鑑別士のQグレーダーも急増しており、コーヒー文化はすっかり定着した感がある。
繁華街や学生街中心だったコーヒー専門店は、いまでは団地など住宅街などでも盛業中で、味も香りも洗練されている。かつて喫茶店に入れば、どこもインスタントコーヒーだった時代はとうの昔の話になった。
コーヒーブームの到来で、不況でもスターバックスコリア、カフェベネなど主要6大チェーンの昨年の売上げは前年比20・3%増の8937億ウォンを記録した。その他小規模店やコーヒーミックス市場を合わせると2兆ウォンを超える規模だ。コーヒーに関するイベントも多い。先週にはソウルで約200店が出店したコーヒーエキスポが開かれ、詰めかけたコーヒーファンは世界各国のコーヒーを堪能した。
コーヒー文化の定着は専門家も育てている。韓国コーヒー教育協議会が認定するバリスタ試験が2005年から実施され、合格者は同年の338人が昨年には1万人近くに急増した。また、世界に1500人いるQグレーダーの4分の1の370人が韓国人だ。2年前はわずか4人にすぎず、驚くべき増え方だ。
韓国は年間13万㌧(11年、7億1700万㌦)のコーヒーを輸入しており、そのうち生豆が88%を占める。良質の生豆を輸入しなければならないが、Qグレーダーは、ベトナムやブラジルなど外国のコーヒー農家を直接訪れ、生豆を選ぶことから始める目利きだ。コーヒー豆の味と香りを見分ける客が増えたので、Qグレーダーの存在は重要だ。優れた専門家を育成し、良質のコーヒーを提供することで、一過性のブームではなく、優れたコーヒー文化を築いてほしい。(S)