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2013/05/17

<鳳仙花>◆民間交流深め、歴史認識共有化を◆

 韓国のシンクタンク、東アジア研究院と、日本の言論NPOの両団体による韓日共同世論調査の結果は、両国の関係改善の方向性を示す上で興味深かった。

 同調査によると、現在の韓日関係を「悪い」と見ている日本人は55・1%と半数を超え、韓国人は67・4%と7割近い。どちらもこの一年間で「関係は悪くなった」と見ている。この間の対立が響いた形であり、これだけ見れば確かに厳しい数字だ。

 しかし、一方で注目したいのは、両国関係を大切と考えている割合がどちらも70%を超え、交流についても双方とも70%以上が、「民間レベルでの交流は重要」と考えていることだ。特に文化面での交流、留学生の相互受け入れなどに関心が高い。

 7割以上の国民が両国関係と文化交流を大切と考えていることは、未来に希望を持たせてくれるものだ。そして、そのために大切なのは相手国への誤解を解くことと、歴史認識の共有化であることも浮き彫りになった。

 映画やドラマ、演劇、音楽、食文化などの相互交流は深まっているのに、相手国の政治体制や歴史に対する理解はまだ足りない。

 両団体は調査をするだけでなく、今後の関係改善につなげるため具体的な取り組みを進めていく計画だ。その第1弾として11日に都内でシンポジウムが開かれた。

 シンポでは、「歴史認識の共有化を図ると同時に、両国の未来へ向けたさまざまな活動を展開する」ことの重要性が強調されたが、まったくその通りだと思う。

 この間、両国の歴史学者による対話や共同歴史教科書の民間による作成などが行われているが、さらに促進し、両国で歴史認識の共有化を具体化する作業を進めてほしい。そして若者を中心とした市民交流を、より活性化してもらいたい。両国の若い世代が相互理解を深めていけば、真の韓日友好が実現するはずだ。(L)