訪中した朴槿惠大統領が、韓国大統領として初めて内陸部の陝西省西安を視察し、話題を呼んでいる。西安を選んだ理由について「多くの韓国企業が進出しており、韓中間の協力の潜在力が大きい」ことを挙げられているが、これを契機に韓国企業の西安進出にさらに弾みがつくとみられている。
いうまでもなく西安は、中国初の統一王朝の秦や隋、唐など諸王朝が都を置いた3000年の歴史を誇る古都で、長安といわれた時代はシルクロードの出発点として大いに栄えた。今は開発が遅れた西部地域開発の拠点だ。そんな西安は、朴大統領も言うように「中国の夢の出発地点であると同時に、韓国にとって無限の可能性がある地」である。
その実験場が西安郊外にあるハイテク技術産業開発区だ。ここにはIBM、インテル、GE、シーメンスなどの先端産業が相次いで誘致されており、韓国企業も100社以上が進出している。その中でも、サムスン電子の存在感は圧倒的だ。現在、70億㌦を投資して半導体工場を建設しており、年内完工の予定だが、「サムスンプロジェクトを早めて陝西省投資環境の模範事例をつくろう」という意味の中国語のプラカードがあちこちに張り出されており、まるでサムスンタウンのような錯覚を覚えさせるという。
サムスンの協力企業も続々進出しており、今後2万人の雇用が見込まれる。陝西省関係者は「サムスンがやってきたとのニュースに目ざとい大学生達は早くからサムスン入社を準備している」と語った。
サムスン以外に現代自動車は年産30万台の中国内第4工場を建設することを検討している。SKは年産20万㌧のブタンジオール工場建設を決めた。ハンファは太陽光事業を進めている。ポスコも製鉄所建設を計画している。韓国が西部開発の主人公といわんばかりの勢いだ。朴大統領は「陝西省が中国経済の核心に浮上しており、今後韓国がここを中心にした西部地域に多くの関心と戦略的接近が必要だ」と強調したが、韓中経済協力のシンボル都市になる可能性を秘めていると思う。(S)