ここから本文です

2013/09/20

<鳳仙花>◆南北協力の象徴、開城工団再開◆

 南北協力事業の開城工業団地が、16日から操業を再開した。この日、入居企業123社の約6割が稼働を再開し、北朝鮮労働者5万3000人のうち3万2000人が職場に復帰したという。北朝鮮の一方的な通行制限措置で5カ月間閉鎖され、永久閉鎖の恐れもあっただけに関係者はほっと胸をなでおろしたことだろう。今後は二度と中断事態がないことを切に望みたい。

 今回の操業再開は、20時間に及ぶ徹夜協議の末に合意した。南北双方の真剣な努力が実った結果ともいえる。合意内容にも従来になく注目すべき点がある。まず、工業団地閉鎖の責任が北朝鮮にあることを明確にし、稼働中断で損失を出した入居企業に対し、北朝鮮側が徴収している税金を今年は免除するという。

第2は、これが最も重要だと思われるが、開城工業団地の国際化だ。「開城工団入居企業に対して国際的レベルの企業活動を保障し、国際的な競争力がある工業団地に発展させる」ことで合意した。このため外国企業の誘致を積極的に奨励し、工業団地内で適用される労務・税務・賃金・保険など関連制度を国際的レベルに発展させるという。

 外国企業が工団に進出すれば、北朝鮮は一方的な閉鎖措置などを取りにくくなるだろうが、国際的なレベルに見合った賃金引き上げを要求できるというメリットもある。北朝鮮側も工団の国際化に積極的な態度を示したといわれるだけに、今後に期待がもてる。だが、国際化のためには、開城工団を魅力あるものにする対策も必要だろう。

 最近の南北関係は融和ムードが高まっている。平壌で開かれた重量挙げアジア・クラブ選手権では、南北分断後初めて韓国選手団が太極旗を掲げて入場し、韓国国歌も演奏された。今月25日からは南北離散家族の再会事業が行われる。金剛山観光事業の再開の可能性も出ている。いいタイミングだ。開城工業団地を発展させ南北協力促進の起爆剤にしてほしい。(S)