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2013/11/15

<鳳仙花>◆朴槿惠大統領の「演説外交」◆

 朴槿惠大統領の「演説外交」が話題になっている。朴大統領は先のフランス訪問で経済人を前に約20分間の演説を流暢なフランス語で行い、大歓迎を受けた。今回のフランスだけでなく、米国では英語、中国では中国語と訪問先の国の言葉で演説し、いずれも拍手喝采を浴びた。一国の首脳が相手国の言葉で演説することの意味を考えてみた。

 朴大統領はフランス訪問で当初、韓国語で演説する予定だったが、出発10日ほど前からフランス語で演説することを決め、演説直前まで表現に手をいれるなど真剣だったという。その甲斐あって、演説内容も評判を呼んだ。例えば、創造経済との協力で述べた次のような表現。

 「世界で初めて熱気球を開発し有人飛行を成功させたモンゴルフィエ兄弟、1世紀前に潜水艦と宇宙船を小説で描いたジュール・ベルヌが代表するようにフランスは多くの分野で創造経済を先導してきた」

 このように、フランス文化への敬意を表し、演説が終わるやスタンディングオベーションが続くなど出席者を感動させるのに成功した。

 朴大統領は、半年間の短いフランス留学経験があるが、学生時代にフランスの歴史書籍をよく読み、ベルギーの漫画家・エルジェによって描かれた「タンタンの冒険」でフランス語を勉強した。英語、中国語、スペイン語もできる語学の達人だ。

 今年6月に行った中国・清華大学での演説では、最初と最後の4分ほどを中国語で話した。5月の訪米時には、米議会の上下両院合同会議で30分にわたり英語で演説した。英議会上下院の議長ら英議員との会合でも英語で演説した。

 大統領として相手国の言葉で演説する。これは相手国への尊重を示すものにほかならない。首脳会談はもちろん重要だが、広く国民との共感も大切だ。議会、経済界、大学と演説相手は違うが、相手国の言葉で話し、共感を得た意義は大きい。国民的な首脳外交を今後も積極的に続けてほしい。(S)