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2013/11/29

<鳳仙花>◆転換期の財閥オーナー経営◆

 最近、財閥オーナーの不祥事が相次いでいる。SK、ハンファ、CJのオーナー会長が横領、背任などの罪で裁判を受けており、検察による捜査や国税庁による税務調査を受けている企業も少なくない。さらに、STX、東洋の両グループが経営破綻したのに続き、LIGもグループ解体の危機にある。いま財閥経営は何か深刻な問題を抱えているようだ。

 実際にオーナーが逮捕、収監された大企業グループは経営に支障が生じており、新規投資も手付かず状態だ。これはオーナー支配のため、サラリーマン社長に重要プロジェクトに対する決定権がないからだ。

 財閥に対する国民の目も厳しくなっている。これまでもサムスンや現代自動車のトップらが背任などで裁判にかけられた。しかし、有罪判決を宣告されても「国家経済に対する貢献が大きい」として、ほとんどが執行猶予つきだった。ところが、最近では崔泰源(チェ・テウォン)・SK会長や金昇淵(キム・スンヨン)・ハンファ会長らが実刑判決を受けた。裁判所の判断も、従来とは明らかに違ってきている。

 もちろん、オーナー経営の長所がなかったわけではない。韓国経済発展の先兵の役割を担ってきた。半導体、自動車、造船、携帯電話などの産業が世界的なレベルに達したのは、果敢かつ迅速な投資決定が力を発揮したからだ。

 だが、時代が変わってきた。いま、大企業グループは2世から3世の時代に入ろうとしている。かつて、創業者から2世に経営権が世襲された時、経営能力もない2世オーナーに対する批判の声が強かった。現代資本主義では、大企業で資本と経営の分離は当然のこととされているが、韓国は資本と経営が未分化の場合が多く、それが一連のオーナーの非理の温床になっているのは否めない。

 改めて、資本と経営を分離し、専門経営人に権限を委譲して、オーナーの顔色をうかがう萎縮した経営から脱する必要があるだろう。(S)