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2014/09/26

<鳳仙花>◆雇用率70%達成への道◆

 韓国の来年度予算案は376兆ウォンの積極財政型となったが、中でも雇用予算は今年度予算より1兆ウォン以上多い14兆3000億ウォンに増額されており、予算規模、増加額とも過去最高になる。朴槿惠政権の基本政策である「474政策(潜在成長率4%、雇用率70%、国民所得4万㌦の任期内達成)」の中の雇用率70%をにらんだ予算増額であることは間違いない。

 雇用予算の中で特に注目されるのは、青年層の労働市場早期参入を誘導するため導入された「韓国版デュアルシステム」への支援強化で、予算規模を今年度より2倍以上の2158億ウォンに増額している。これは、大学に進学する代わりに企業へ就職した後、週2日は学校で学習し、3日は企業で実務教育を受けて大学の学位や資格を取得できる教育と職業訓練を同時に進める制度だ。発祥のドイツなど欧州を中心に普及しているが、韓国では昨年から試験的に運用、2017年までに対象企業を1万社に増やして合計10万人の雇用を創出する計画だ。

 人類の歴史を見れば、生活と切り離された教育は、むしろ極めて特殊だった。近代的な学校制度が確立する以前は、子どもたちは実際的な仕事に従事するなかで自らに必要な知識・技術を獲得してきた。理にかなった制度といえる。

 韓国の雇用問題でいま一番問題となっているのは、職に就いていない青年層が増えていることだ。15~29歳の青年層に限ると雇用率は41%にすぎず、この10年で5ポイントも下がっている。世界一高い大学進学率や2年近い軍入隊などの影響もあるが、希望の職場を求め、就職浪人するケースも少なくなく、人手不足の中小企業と大企業志向の青年層の構造的なミスマッチも深刻化している。

 このミスマッチ解消のためにも、「韓国版デュアルシステム」は一つの試みではあるが、韓国でも定着するように積極的に推進すべきではないか。雇用率70%達成のためには女性の就業拡大や付加価値型サービス業の育成など多くの課題があるが、王道はない。結局一つ一つ着実に推し進めることで効果も表れるだろう。(S)