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2014/01/17

<鳳仙花>◆統一後の経済ビジョン研究◆

 朴槿惠大統領の年頭の記者会見で注目されたのは、「統一は経済大躍進のチャンス」と位置付け、南北統一時代を切り開くための準備を国政目標に据えたことだ。これを受け、統一憲法の制定や統一後の経済ビジョンに関する研究に取り掛かるなど、朴政権の統一へ向けた強い意思を感じさせた。

 経済ビジョンの研究は、政府各部署の専門家チームにより推進されるが、どんなビジョンが考えられているのだろうか。政府関係者は、朴大統領の考えについて「経済構造の革新や統一を通じて、豊富な内需市場を備えた安定的な経済大国を実現することだ」と説明した。統一すれば人口は7500万人以上になり、一人当たり国民所得4万㌦を実現すれば、相当に大きな内需市場になる。現在、これに該当する国は米国、日本、ドイツの3カ国のみだ。

 来年は南北分断から70年になり、分断以降に生まれた世代が大半を占める。時代の流れとともに南北の経済格差は広がり、統一の必要性について韓国内には不要論すらある。莫大な統一費用がかかり、生活水準が落ちる懸念もあるからだろう。朴大統領の今回の発言は、改めて統一の意義を確認したもので、南北関係が改善しない限り、分断費用はさらに大きいという現実が想起される。

 統一研究院の研究によれば、2030年に統一が実現したらと仮定し、その後50年までに統一費用は3621兆ウォンかかるが、統一による恩恵はその2倍近い6800兆ウォンに達すると分析している。緊張が緩和すれば、海外からの投資効果も見込まれ、例えば世界的な投資家のジム・ロジャーズ氏は「南北統合が始まれば、3億㌦に達する全財産を投資したい」と語っている。

 いつ統一が実現するかは予測できないが、その日に備えることは大切だろう。経済的研究にとどまらず、人的交流の拡大や民族等質化に向けた粘り強い努力が必要だと思う。(S)