ソチ冬季五輪は、さまざまな感動を韓国国民に与えてくれた。特に今大会で引退する女子フィギュアの金妍兒(キム・ヨナ)選手は、連覇こそならなかったものの、卓越した演技でファンを魅了し、銀メダルに輝いた。海外同胞からも「ありがとう」の言葉を伝えたい。
さて、まだ熱気さめやらぬソチの会場で、7日からソチ冬季パラリンピックが始まる。脊髄障害、視覚障害などを持つ50カ国以上の選手約1200人が技を競う。韓国はアルペン、アイススレッジ・ホッケーなど全種目に選手27人、役員32人、計59人の選手団を出す。これまでの訓練の成果を発揮し、悔いの無い試合をしてほしい。
第1回冬季パラリンピックは1976年、スウェーデンで開催された。障害者スポーツはもちろん、冬季スポーツさえ弱体だった韓国では、冬季パラリンピックへの関心は低かった。そんな中、下半身まひという重度の障害を持つアルペンチェアスキーのハン・サンミン選手(32)が、2002年ソルトレークパラリンピックで銀メダルを獲得し、韓国における冬季障害者スポーツの基礎づくりに貢献した。「練習施設はもちろん用具を買うカネさえ無い」状況からスタートしてのメダルである。その苦労はいかほどだったろう。
韓国は、平昌(ピョンチャン)冬季五輪誘致と並行してパラリンピックにも力を入れ、前回のバンクーバーで初めて全種目出場、車いすカーリングで銀メダルに輝いた。今大会では金メダル2個を目標としている。パラリンピックはスポーツと障害者のリハビリ、また健常者と障害者の共生という役割を持つが、最近では競技スポーツとして発展している。
韓国は平昌に向けて、パラリンピックでも若手選手発掘に力を入れており、大企業も支援を表明するなど、障害者スポーツのすそ野を広げている。スポーツとして発展させるとともに、障害者への理解が深まる社会を作ってほしいと願う。(L)