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2014/03/14

<鳳仙花>◆外国人向け災害情報の充実を◆

 東日本大震災から3年を迎えた。同震災では在日韓国人、留学生や研修生、国際結婚などで東北地域で暮らす人たちなど、多くの外国人も被災し、犠牲者も出た。

 地震や津波を経験することのない国から来た外国人留学生には、「地震」「津波」などの言葉の意味が理解できず、どうしていいかわからず逃げ出すのが遅れた人もいたという。知人の韓国人留学生も、地震を経験したことがなくて、あわてふためいたという。その不安や恐怖は、いかばかりだったろう。外国人を孤立させない、情報伝達システムが重要だ。

 1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、外国人の多住地域も被災し、やはり情報伝達の不備が課題となった。同震災を契機に在日コリアンと日本人が力を合わせて、多言語放送の「FMわいわい」をスタートさせ、10種類の言語で情報発信を行った。

 この動きは、各地の自治体や市民団体などにも広まり、さまざまな取り組みが行われてきた。新潟県では多言語による地震情報に力を入れ、中越地震(04年)の発生時には県内の外国人に一定の情報伝達を行い、被害の拡大を防ぐのに役立ったという。

 しかし、これらはまだ一部の動きでしかなく、国をあげて、また近隣諸国と連携して災害に備える体制の充実が大切だろう。仙台市は震災後、「災害多言語支援センター」を発足させた。宮城・福島・東京などで外国人移住者を支援する市民団体も発足し、メンタルヘルスも含めた支援活動に取り組んでいる。外国人を「災害弱者」「情報弱者」にしない活動が広がってほしい。

 震災後、日本では「絆」の大切さがうたわれた。韓国や在日社会でも被災者支援の声が高まり、多くの活動がなされた。「絆」を再認識し、日本人と在日外国人、近隣諸国が力を合わせて、ともに災害に対処する共生社会を作り上げていくことを願う。(L)