韓日間の友好親善を実践している2つの財団がある。日韓の青少年・草の根交流を顕彰する「一般財団法人 高円宮記念日韓交流基金」と韓日を結ぶ多彩な研究・活動を助成する「公益財団法人 韓昌祐・哲文化財団」である。昨年12月の日韓交流基金の第五回顕彰式典につづき、今年3月には文化財団の第7回助成金授与式がともに東京の韓国文化院で行われた。韓日関係が歴史認識問題などをめぐって冷え込んでいるだけに、改めて財団の活動に目を向けて関係改善の一助にしてみたい。
高円宮記念日韓交流基金は教育・文化・スポーツを中心とした青少年交流及び学術交流などの顕彰・助成等を通じて未来志向的な日韓関係を構築することを目的にしている。国と国の友好は、人と人との交流が基本にあると考えた高円宮殿下の遺志を受け、2007年に設立された。
昨年の顕彰式典で高円宮妃久子殿下は、「国際交流についていつも思うことは、形だけの交流はいったん事が起きると簡単に途切れてしまいます。一方、信頼に基づいた友好の絆は簡単にはこわれません。今回の受賞者は、そういう交流を続けてこられました。いずれも、とても純粋かつさわやかな交流で、私はそれらの無私の精神をとても美しいと思います。この精神が国境を超えて、人と人を結びつけると思います」と述べていた。
一方の韓昌祐・哲文化財団は、「日本と韓国の若い才能と多彩な文化を助成し、両国の絆を深めることで社会と文化の発展へ貢献する」ことを理念に助成活動を続けている。1990年に設立された同財団の前身である「韓国文化研究振興財団」の歴史を含めると25年に及ぶ。助成基金を通して個人研究や団体活動への数多くの支援を行うことで、両国の理解と友好を深め、豊かな関係を築く一助としてきた。同財団の韓昌祐理事長は、「未来に向かって手を携えることを目的に設立した」と振り返り、韓日両国仲良くなることが何よりも大切であると強調した。
この2つの財団が毎年継続している支援活動は、韓日交流に励む人たちを勇気づけるものだ。このような支援、交流が様々な形で広がることを期待したい。(S)