世界は環境にやさしいエコカー時代を迎え、各メーカーの開発競争が激化している。昨年、世界で販売された自動車は7900万台にのぼり、エコカーの比率はまだ2・1%に過ぎないが、今後10年後には7%を上回ると予想されているだけに、エコカー開発は各メーカーの死活をかけた戦いなわけだ。世界5位の自動車生産国の韓国も同様で、エコカー市場でのグローバルトップを狙った戦略を立てている。
エコカー開発は性能を競い合う段階に入ったが、現代自動車は世界に先駆けて水素燃料電池車を開発した。この車は水以外に排気ガスを全く排出しない最先端エコカーだ。最高時速160㌔で、1回の充電で415㌔走行可能という優れものだ。電気自動車でも起亜自動車が1回の充電で600㌔以上走行できる電気自動車「ソウルEV」を開発し、今月12日から量産に入った。走行距離が通常の電気自動車の4倍にもなる高性能車だ。
韓国でのエコカー販売台数は2011年の1万6000台が翌12年には3万台に達するなど年々増加し、今年は累計で10万台を突破する見通しだ。だが、普及率はまだまだ低い。このため政府は「低炭素車協力金制度」を設け、来年から施行する予定だ。この制度は、二酸化炭素排出量が多い低燃費車を購入すると最大300万ウォンの負担金を課し、逆に高燃費車を購入する時には最大300万ウォンの補助金を与えるというもの。エコカー販売を促進し、エコカー開発を支えることに狙いがある。
だが、経済界からは反対する動きが強まっている。「世界でも最高水準の生産・販売規制であり、我が国経済に悪影響を及ぼす」という理由だ。政府内でも意見が分かれているという。消費者に課す負担金の額を調整する必要はあるかも知れないが、同様の制度はすでにフランスやベルギー、シンガポールなどで実施され、定着している。
世界は今後ますます環境重視に向かうだろう。自動車からまず二酸化炭素排出を止める。これはエコカー時代の要請でもある。制度面でも先進的でありたいと思う。(S)