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2014/07/04

<鳳仙花>◆「開かれた政府」めざす韓国◆

 韓国は「開かれた政府」をめざして、公共情報を積極的に公開する「政府3・0」政策を進めている。政府機関や自治体などが保有している公共情報を正当な理由がない限り公開することを義務付け、国民にその利用の権利を保障するもので、国民はそれを商用目的にも活用できる。

 「政府3・0」とは、コンピューター・ソフトのバージョンアップからとった言葉で、最初に「1・0」というバージョン番号が与えられたソフトが、次に大幅改良した版は「2・0」、その次の大幅改良は「3・0」となる。これに倣い、「政府3・0」は、2度の大幅修正したことを意味する。

 最初の「政府1・0」では、政府から国民へ一方通行で情報が伝わり、国政運営は政府が中心で効率性を重視した。「政府2・0」になって、情報が双方向になったが、それでも情報公開には制限があった。現在の「政府3・0」では国民一人ひとりのニーズに合った情報を提供し、国政運営に国民の能動的な参加を導き出すという。さらに昨年の法改正で、国民からの請求がなくとも初めから原文公開が義務化された。政府と国民の距離を縮める大きな動きだが、課題もある。

 国際機関OGP(オープンガバメント・パートナーシップ)韓国担当のジェフリー・ケイン氏は、「韓国は世界最高水準の情報ネットワークインフラを備えた国だ。情報公開法を制定して憲法的な権利としての情報の自由を保障した数少ない国でもある」と評価しながらも、「政府の情報公開レベルは決して高いとはいえない」と厳しい見方をした。

 国連は韓国を世界一の「電子政府」に3回連続で選定しているが、電子政府化されているからといって「開かれた政府」になるわけではない。重要なのは、情報の量と質がともに向上しなければならないという点だろう。

 オバマ米大統領が09年に提唱して以来、オープンガバメント(開かれた政府)は世界の大きな流れになっている。朴槿惠政権は「政府3・0」を創造経済の核心と位置づけており、より先進的な取り組みを期待したい。(S)