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2021/07/02

<鳳仙花>◆韓国孤児の少女助けたカナダ人◆

 1950年6月25日に起きた韓国戦争と、その後の社会混乱の中で孤児となった少女を援助したカナダ人青年の実話が静かな話題を呼んでいる。大邱で食堂を営む金ミスクさん(仮名)に今年3月、国際救護団体ワールドビジョン経由で、カナダ人青年のスタンさんと少女だった金さんが笑い合う、数枚の写真が送られてきた。養護施設にいた時、後援金と励ましの手紙を送ってくれた人だった。

 不動産会社で働いていたスタンさんは1965年、韓国の孤児の厳しい生活についてニュースで知り、ワールドビジョンを通じて一人の少女に手紙と後援金を送り、その後に韓国を訪れた。金さんと数日間を一緒に過ごした後、カナダに戻った。スタンさんは90歳を過ぎ、記憶力と言語能力を喪失したが、少女の名前だけは忘れなかった。

 スタンさんの娘は、「子どもの頃、父は韓国にも娘がいると話し、私も写真の中の少女を姉妹のように思って育った」と振り返った。

 金さんは12歳の時、里親に引き取られた。しかし、家事全般をさせられ、学校にも通わせてくれなかったという。金さんは現在、孫を持つ祖母になったが、親がいない喪失感は消えなかった。そんな金さんにとってスタンさんからの連絡は、親に再会したような気持ちだったという。


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