韓国で「バレーボール女帝」の愛称で親しまれ、代表チームの主将を務めた金軟景(キムヨンギョン33)が、東京五輪を最後に韓国代表を引退する。ラスト試合となった8日のセルビアとの3位決定戦、試合は0対3で敗れメダル獲得はならなかったが、金は最後までチームを鼓舞し続けた。その雄姿は世界のスポーツファンに大きな感動を呼んだ。
金は京畿道安山市出身。身長192㌢の世界的アタッカーだ。小学校4年生でバレーボールを始め、韓国ジュニア代表にも選出。05年に興国生命ピンクスパイダーズ入団、優勝に貢献した。同年、17歳で韓国代表に選出。以後16年間、代表チームのエースとして活躍、チームを世界レベルに押し上げた。
初出場の12年ロンドン五輪では、日本との激しい3位決定戦の末に4位。金はベストスコアラーとMVPを獲得した。金の絶頂期だった。
16年リオ五輪では5位。今回の東京五輪は出場も危ぶまれたが、金の活躍で出場権を獲得。準々決勝で世界ランキング4位のトルコを破る大金星で、9年ぶりにベスト4入りを果たした。
代表チームの活躍は韓国選手団、そしてコロナ禍の韓国国民の励みとなった。金は右ひざの痛みに悩まされながらも、136得点、ディグ(スパイクレシーブ)83点で全体2位をマークした。
金は「本当に夢のような時間を過ごした。選手たちには、精いっぱいプレーしたので笑顔で終えようと話した。後輩たちが今回の経験を受け継いでいってほしい」と振り返った。
金が代表入りした当時、トレーニング環境は良くはなかった。「私たちが国際大会で好成績を出せば、環境も改善され、韓国女子バレーも発展する」と努力してきた。その苦しい時期を共に戦ったヤン・ヒョジン、キム・スジらも今大会で代表を引退する。
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