77回「原爆の日」を目前にした7月30日、広島で被爆した在日韓国人2世で、自らの被爆体験を80歳を過ぎてから語り続けてきた李鐘根(イ・ジョングン)さんが広島市内で亡くなった。93歳だった。民族差別と被爆者という「二重の差別」に苦しめられた生涯だった。
李さんは1928年、島根県の匹見(現・益田市)生まれ。日本植民地時代の苦しい生活から逃れるため、両親が職を求めて渡日し島根の山で炭焼きをした。李さんは小学校に通うが、同級生だけでなく先生からも民族差別を受け、弟や妹も同じようにいじめられた。
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