駐フランス韓国文化院は1980年に開館した。韓国文化に関心を寄せるフランス人は、ほとんどいない時代だった。そんな状況下、86年から同院に勤務したジョルジュ・アルセニゼミック専門委員(66)が、2月に定年退職した。
「80年代にフランスで報道される韓国のニュースは、警察がデモする人々を殴る場面ばかり。韓国文化について話すのは本当に大変でした」と当時を振り返る。韓国が軍事政権だった時代だ。映画・演劇・文学、どの領域でも韓国コンテンツを見つけることが出来ない時代、ジョルジュさんは地道に広報活動、韓国文化がフランスで開花する過程を37年間見守ってきた。
時を経て、奉俊昊監督の映画『パラサイト半地下の家族』がカンヌ国際映画祭パルムドールを19年に受賞、パリに3カ所だけだった韓国レストランは、現在は首都圏だけで200カ所を超え、K-POPも人気だ。韓国ソフトパワーは80年代と比べられないほど浸透した。
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