韓国・高陽(コヤン)で11月に重量挙げの世界選手権が開かれるのを前に、女子重量挙げへの関心が韓国内で高まっている。昨年の北京五輪で金メダルを獲得した張美蘭は、6月末に京畿道で行われた韓日中国際重量挙げ大会に出場し優勝。また新星・李ヒソルは世界ジュニア重量挙げ選手権で優勝した。さらに女子重量挙げ選手と新米コーチの奮闘を描いた映画『キングコングを持ち上げる』が公開され、話題となっている。
張美蘭(チャン・ミラン)は、京畿道抱川総合体育館で行われた「2009韓日中国際重量挙げ競技大会」の女子部最重量級(75㌔以上)に出場し、スナッチ135㌔、ジャーク170㌔の合計305㌔で優勝した。
張は昨年の北京五輪で自己世界最高記録(スナッチ140㌔、ジャーク186㌔、トータル326㌔)で優勝しており、その記録更新が期待されたが、及ばなかった。張は、「久しぶりの実戦なので、勘を取り戻すことが出来なかった。世界新記録を出せなかったことは、とても悔しい」と語った。
金ギウン女子重量挙げ代表チーム監督は、「張は練習中に右足の指をけがしたため、10日ほどしか練習期間がなかった。これから2カ月間、国内外で訓練した後、10月の韓国国体に出場して試合勘を取り戻し、11月の世界選手権に臨む」と、世界選手権優勝に期待を寄せた。
李ヒソル(韓国体育大)が、6月にルーマニアで開かれた2009世界ジュニア重量挙げ選手権大会で3冠王を獲得、張美蘭の次を担う選手として、世界的に注目が集まっている。
李は75㌔超級でスナッチ115㌔とジャーク150㌔にそれぞれ成功し、合計265㌔で首位に立った。265㌔は、今年3月の春季重量挙げ大会で立てた自己最高記録(254㌔)を3カ月で11㌔増やしたもの。
国際重量挙げ連盟(IWF)は、「李選手はオリンピックのチャンピオン張美蘭の後継者になり得る」と高く評価した。また、IWFは李選手の受賞写真をメイン画面に出し、「新しい韓国人スーパースター」と説明。第2の張美蘭誕生に期待を示した。
韓国の女子ジュニア最重量級の最高記録は張美蘭(高陽市庁)が03年10月韓国国体で樹立したスナッチ120㌔、ジャーク156㌔の合計276㌔。
◆『キングコングを持ち上げる』 韓国で大ヒット◆
88年ソウルオリンピック重量挙げの銅メダリストが、田舎の女子中学校の重量挙げ部コーチとなり、金メダル目指して奮闘する姿を描いた新作映画「キングコングを持ち上げる」が、韓国でヒット中だ。
重量挙げで家族を貧しい暮らしから抜け出させたいと願う少女など、力しか自慢できるものがない田舎の少女たちが、厳しい練習に挑み、ついに奇跡を起こす。
韓国では昨年、アテネ五輪で優勝した女子ハンドボールチームを描いた『私たちの生涯最高の瞬間』が公開され、大ヒットするなど、スポーツ映画が人気を得ている。