秋といえば韓国ではお正月に次ぐ大イベント「秋夕(チュソク=旧盆)。都会に暮らす人々はそれぞれの故郷へ帰って各家庭で祭祀を行い祖先に収穫の感謝としてとれたばかりの新米や様々な料理をお供えします。親戚一同が集まる場合も多く、前日からたくさんの料理も作られます。今回御紹介するのは身近な食材ばかりでできる伝統的な味です。
■松片(ソンピョン)■
韓国伝統の食の中でも祭祀や人の集まる宴には欠かせないお餅。その種類も本当にたくさんありますが、秋夕といえば松片(ソンピョン)です。家庭で作られる他に街の専門店でも必ず置いてあるお餅です。お餅部分によもぎや食紅などで色をつけたり、中のあんも小豆、栗、緑豆、白インゲン豆、胡麻などで変化をつけたりもします。
●材料(18個分)
上新粉
1と1/2カップ
白玉粉
1/2カップ
砂糖
大さじ1
塩
小さじ1/5
熱湯
3/4カップ位
あずきあん
50㌘
黒すりごま
大さじ2
ごま油
小さじ1
●作り方
①あずきあんに黒すりごま、ごま油を混ぜ弱火にかけてゆっくり練り上げて水分を飛ばす。お皿などに広げて冷まし18個に丸めておく。
②ボウルに上新粉、白玉粉を入れ固まりがあるようならスプーンなどで細かくつぶしておく。熱湯に砂糖、塩を混ぜて粉に加え木べらで良くこねる。
③さわれる位になったら手でもよくこねてからひとつかみずつにちぎり、ホットクッキングシートにのせて蒸し器で15分程蒸す。
④蒸し上がったものを濡らしたすり鉢かボウルにあけ、水で濡らしたすりこ木で5分程ついて粘りとコシを出す。
⑤18等分にして丸め中央に指で穴をあけてあんを入れて丸める。できれば小さい巻貝の様な中央はふくらんで両端がすぼまった様な形に整える。
⑥蒸し器に良く洗った赤松の葉(またはホットクッキングシート)を敷いて成形した松片を並べ5分程蒸す。冷水にとって粗熱をとり、ごま油を表面に薄くまぶして器に盛る。
■カブのキムチ(スンムキムチ)■
白くなめらかなかぶを柔らかな辛味で引き立てます。漬けたての歯触り良い食感も発酵して酸味が少し出た頃もどちらも美味しいキムチです。
●材料(作りやすい分量)
かぶ
5~6個
粗塩
かぶの重量の3%
煮干しだし
1/2カップ
アミの塩辛
25㌘
韓国産粉とうがらし
大さじ1~2
おろしニンニク
小さじ1
おろししょうが
小さじ1/2
砂糖
大さじ1/2
●作り方
①かぶは大きいものは皮をむく。茎を少々残して葉は切り落とし、くし形に切る。かぶの重量の3%の粗塩をまぶして1時間位おいてしんなりさせる。
②小鍋に煮干しだし、アミの塩辛を入れて一煮立ちしたら火を止め濾して冷ましておく。冷めてからおろしニンニク、おろししょうが、砂糖を良く混ぜておく。
③かぶから出た水分をよくきってから粉唐辛子をまぶし、なじんだら2の漬け汁も加えて混ぜ味をみて足りなければ粗塩で調味する。
④室温で2~3時間程おいてから冷蔵庫で保存。
■鶏肉の煮込み(タクチム)■
和食では「いり鶏」地域によっては「がめ煮」などと呼ばれるおなじみの一品。韓国でも骨付きの鶏肉から出た旨味を野菜に含ませて味わうのは同じなのです。そろそろ店頭に並びだした栗、銀杏など加えても美味しいです。濃い味付けなのでお弁当にもぴったりです。
●材料(2人分)
骨付き鶏肉(ぶつ切りまたは手羽元)
250㌘
干しいたけ
2枚
ゆでたけのこ
50㌘
にんじん
1/4本
たまねぎ
1/4個
ピーマン
1個
しょう油
大さじ2
砂糖
小さじ2
おろしニンニク
小さじ2
ごま油
小さじ1
干しいたけの戻し汁(または水)
1カップ
松の実
少々
●作り方
①鶏肉はさっと水で流し血や余分な脂肪を取り除いておく。干しいたけは水にしばらくつけて戻し、石付きを切り一口大に切る。戻し汁は濾してゴミ等を取り除いておく。他の野菜類は乱切り。
②鶏肉の水気をとりボウルに入れしょう油、砂糖、おろしニンニク、ごま油をもみ込んでしばらく置いて味をなじませる。
③厚手の鍋に干しいたけの戻し汁を入れて沸かし、鶏肉を入れて再び煮立ったら沸騰が続く程度に火を弱め蓋をして15分くらい煮る。時々上下を返すように混ぜると良いでしょう。
④ピーマン以外の野菜を加えて柔らかくなるまで煮る。柔らかくなったらやや火を強め照りがでるように全体を返しながら煮汁を煮つめていく。ピーマンも加えて煮汁をからめて火を止める。
⑤器に盛ってから松の実を散らす。