◆ファッションモデル 安 美佳(AHN MIKA)さん◆
様々なファッションショーに出演する一方、テレビ、ラジオ、映画にも出るなど、大活躍のファッションモデルAHN MIKA(安美佳)さんは、大阪出身の在日2世。身長174㌢。93年にパリコレクションに初参加し、一躍注目を集めた。モデルを本格的に志したのは15歳の時。母の死がきっかけだ。
「小さい頃は太り気味で、劣等感があった。母は韓国から日本に来て化粧品会社に勤めていたが、自信の無い私を見て、『美佳は笑顔がいいから、絶対モデルになれる。美人になるための努力を一緒にしよう』と励ましてくれた。私が15歳の時に母が病気で亡くなったが、母の教えを胸に必ずファッションモデルになると誓った」
高校卒業後、モデル事務所に採用される。しかし、オーディションでは不合格が続き、アルバイトで生活費を捻出する。
転機はあるドイツ人カメラマンとの出会いだった。そのカメラマンのモデルを務めた写真がロンドンのファッション雑誌に紹介されたことで、単身渡仏し、パリコレクションのオーディションに参加し合格。
審査員から「親からもらった体、外見で仕事をするのは誇りだ。あなたもルーツを大切にして、コリアンモデルとして活躍しなさい」との助言を受けた。
「これがきっかけで、通名(日本名)からAHN MIKAを名乗ることにした。パリでアイデンティティーを確認することが出来たのは、本当に大きい体験だった」
日本に戻ってからは徐々に仕事が増え、一流モデルとして認められるようになった。2001年に父親が死去。両親の遺骨を故郷の済州道に埋葬したが、韓国語が出来ないため、韓国の親類と会話できず、言葉を学ぼうとモデルを休職して、02年から1年間、延世大学校語学堂に留学する。
「言葉や文化を学ぶ中で、日々コリアンとして自覚するようになった。韓国人や在日の友人もたくさん出来たが、特に韓国の男性は兵役があるので、友情を大切にするのを感じ、生き方について深く考えるようになった」
W杯韓日共催大会が開催され、韓国で日本文化がブームになっていた時期で、安さんも街でよく写真を撮られたり、日本のファッションやメイクについて聞かれた。
また友人から、「あなたは韓国と日本の懸け橋になれる存在」と激励された。日本に戻ってから、NHKのルポ番組に韓国を紹介するキャスターとして登場、また新聞や雑誌で韓国の魅力について語るなど、韓国と関連する仕事が増えた。06年には大阪で開かれた韓日交流イベント「四天王寺ワッソ」で赤留比売命(あかるひめ)の大役を果たす。昨年は「韓国観光名誉広報大使」に選ばれ、初めての著書「肩甲骨美人ダイエット」も出した。
「広報大使に選ばれたことで、韓日の懸け橋になろうという気持ちがより強まった。著書について話すと、肩甲骨は体で最も大切な場所。ここをうまく使うことで所作がよくなる、きれいな動きは肩甲骨美人からということ、それと母の教えである『相手にとって心地良い存在』になることの大切さ、それをぜひ伝えたいと考えた。ファッションはコミュニケーションツールだということを、ぜひ知ってほしい。女性はもちろん男性にも参考になると思う」
「在日は韓日の文化を知り、両方の魅力をそれぞれに伝えることの出来る存在だと思う。ファッションモデルという職業を生かして、今後も懸け橋の役割を務めたい」
◆女子バレーボール・金 軟景(キム・ヨンギョン)さん◆
「韓国女子バレーボール界最高のアタッカー」「百年に一人の逸材」「将来のアジアの巨砲」などと評される、女子バレーボール界の新星だ。韓国の興国生命から今シーズン、日本のJTマーヴェラスに移籍した。韓国女子バレー初の海外移籍選手でもある。マルチプレーヤーとしての力を見せた金の活躍により、チームは前シーズンの低迷から完全に脱却、今シーズンは開幕から6連勝、悲願の初優勝を狙える戦力となっている。
「日本代表のセッター竹下佳江さんや同じアタッカーの坂下麻衣子さんなど、周囲がサポートしてくれることが、好成績に結びついている。これから相手も研究してくるので、さらに努力して結果を出し、優勝してチームメートと喜びを分かち合いたい」
バレーボールを始めたのは小学校4年生の時。当初は背が高くなく、セッターやリベロも経験したが、背が伸びるにつれてアタッカーに専念するようになった。ハンイル電算女子高校時代の03年から05年まで、連続して全国大会出場。また05年に韓国代表としてワールドグランドチャンピオンズカップにも出場。一躍、国内外の注目を集める存在となった。
「日本遠征時、JTに滞在したことが何度もあり、馴染んでいたことが決め手になった。寮生活や日本食にも慣れたので不安はない」
寮で韓国料理をチームメートと作って食べることも多い。韓国からオモニ(母)が送ってくれる、手作りキムチは大好評だ。休日には近くのショッピングセンターで買い物を楽しんだりしている。日本のポップスも好きで、「いま一番気にいっているのはEXILEと絢香」だ。
日本で実績を重ねた後は、イタリア等の欧州のリーグに進出したいとの希望を持っている。
「世界的プレーヤーが目標なので、いつかは欧州でプレーしたいが、まずはプレミアリーグ優勝が目標。日本には在日の方が大勢いる。ぜひ応援してほしい」
◆韓国の美少女歌手グループ・KARA(カラ)◆
美少女ブームが続く日本。その日本に満を持して韓国の美少女歌手グループ「KARA」がやってくる。
KARA(カラ)とは、甘いメロディーという意味を持つ言葉。これに、ギリシャ語の「CHARA(喜び)」を加えて、「KARAの音楽を通じて、喜びを与えたい」という気持ちが込められている。
「KARA」は、リーダーのパク・ギュリ(21)、ハン・スンヨン(21)、ニコル(18)、ク・ハラ(18)、カン・ジヨンの(15)の女性5人組である。07年に4人組でデビューしたが、08年5月に1人が脱退、その後、新メンバーを2人加えて現在の5人となった。
08年「ROCK U」「Pretty Girl」という2枚のミニ・アルバムを発表。09年にはスペシャル・エディション「Honey」とセカンド・アルバム「Revolution」をリリースし、人気を確実なものとした。
その5人が日本デビューを前に、抱負を語ってくれた。
「日本には以前撮影で沖縄に行ったことがあるが、こうしてファンのみなさんに直接会えるのは初めてで、今からすごく楽しみ。初めてなので緊張しているが、いっぱい準備して、みなさんに喜んでもらえるように頑張りたい」