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2009/04/24

<Korea Watch>隣国への思い率直に

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        特賞 「こうして運ぶ」 
        細田学園高等学校3年 佐野 未来さん

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    金賞(高校の部) 「先生ハシャギすぎ!!」 
    大月市立大月短期大学付属高等学校2年 樋川 沙織さん

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    金賞(中学の部) 「韓国民俗村にて」
    桜丘学園桜丘中学校2年 金子 卓磨さん

 韓国観光公社主催の「2008韓国修学旅行感想文・写真コンクール」の結果が、このほど発表された。感想文の部で特賞を獲得した「真の日韓友好とは」と、写真の部の特賞・金賞作品を紹介する。

◇特賞「真の日韓友好とは」

大阪府立狭山高等学校 2年 堂園 悠華(どうぞの はるか)さん

 仁川空港からバスに乗って二、三十分ほど車を走らせると、霧の向こうにぼんやりと高層ビルの群が見えてきた。かなり都会的な遠くの景色とはうらはらにバスのすぐ近くから見える景色はとてものどかでなんだか変な感じがする。ソウル市内へ入ると大阪では見られない大きなビルのオンパレードだ。“韓国って今、発展しているんだなぁ”としみじみ思った。

 ヨン様人気で日本に韓流ブームが来てから数年、このブームの影響で韓国という国に興味を持つ人の数もずいぶん増えたように思う。しかし、日本人は本当に韓国について知っているのだろうか?今回の修学旅行を通じて私はそれを痛感した。

 私の学校の修学旅行の目玉はソウル市内のある高校との姉妹校提携だ。一年ほど前から交流のある学校で、私たちは調印式を行うために日本から韓国へやってきたのだった。整然とシートのひかれた体育館に通された私たちを迎えたのは、韓国学生のものすごい熱気だった。我が校のダンス部がダンスを披露するとすぐにわれんばかりの声援がとぶ。おとなしい日本の学生では考えられないほどの反応だ。私たちは圧倒されてしまった。

 セレモニーが終わると、各グループに分かれて韓国の学生に景福宮を案内してもらった。そして、そこで私が驚いたのはガイドの学生の日本語の上手さだ。韓国の歴史を紹介する博物館も案内してもらったのでかなり高度な日本語を必要とするのに、彼らの日本語はつっかえることもなくとてもなめらかだった。この学校では第二外国語として百人以上の生徒が日本語を学んでいるらしく、そこから日本に対する関心の高さがうかがえる。そして次に驚いたのが、みんなとても日本のカルチャー(文化) についてくわしいということだ。日本でも最近は韓国のドラマが人気だ。しかし、それ以上に韓国の学生はくわしく日本のドラマや俳優を知っているようだ。最近日本で放送されたドラマや今人気の女優の名をあげる学生たちにとても驚いた。そして三つ目に驚いたのが、彼らが自国の歴史をとてもよく知っていることと、日本の歴史にまでもくわしいことだ。博物館ですらすらと韓国の歴史・文化を私たちに説明しつつ、韓国ではこうだけど日本ではこうだったでしょ?としばしば対比しながら説明してくれた。これがもし逆の立場だったなら私たちはこれほど詳しく説明が出来ただろうか?答えはノーだ。私達は韓国の歴史どころか自国の歴史でさえも外国人に説明するのは難しい気がする。これはとても恥ずかしいことだと気づかされた。

 欧米社会では、自国の歴史をよく知らない人は相手にしてもらえない。泣きながら自国の歴史を語るドイツの少年をテレビで見たときも思ったことだが、日本人はもっと日本の歴史について知るべきだ。まして韓国と日本の間には昔戦争で日本が韓国を植民地化するという悲しい過去があるのだから、私達は韓国の歴史についても学ばなければいけない。このままいけば日本が国際社会でそっぽを向かれる日も近い気がする。

 韓国の若者は日本の文化に興味をもつ人が多いらしい。しかし、日本が韓国を侵略したという歴史的背景から日本に拒否感を抱いている人も多くいるそうだ。そんな微妙な感情を抱きつつも彼らは私たちを受け入れてくれた。彼らの誠実さと勤勉さが最近の韓国のめまぐるしい発展に少なからず関係しているのではないだろうか?そして、真に日韓友好を実現するには私たちがこのような問題をまず理解することが大切だと思う。真の意見でお互いを知り、理解することが日韓友好の第一歩なのだ。

 近くて遠い、お隣の国韓国。今回の修学旅行を通じて同年代の友達としてうちとけていた日韓の学生達を見ると、日韓友好が本当の意味で実現するのもそう遠くないような気がする。