日本と同様、韓国も新緑の季節を迎え、絶好の行楽シーズンだ。首都ソウルでは李舜臣(イ・スンシン)将軍像の周りに造られた「光化門(クァンファムン)広場」が新しい観光名所として人気を集めている。第2の都市・釜山では大型ショッピングモールが次々と建てられ、開発が進む海雲台(ヘウンデ)が新たな観光・ショッピングスポットとして脚光を浴びている。日本人観光客にも訪れてほしいソウルと釜山の新たな魅力を紹介する。
■光化門広場■
ソウルの「憩いの場」といえば、清渓川(チョンゲチョン)の「清渓広場」やソウル市庁前の「ソウル広場」が有名だが、昨年8月1日に光化門の李舜臣将軍像(朝鮮時代、豊臣秀吉の朝鮮出兵から国を守った英雄)の周りに造られた「光化門広場」が新しい観光スポットとして人気が高い。
光化門広場は地下鉄5号線の光化門駅と地下でつながっている。地下鉄を降りると「光化門広場」という標識が目に入るので、それを見ながら改札を出るとすぐ目の前に広場入口スペースがあり地上に出ることができる。
地上広場は世宗路の中央に設けられており、広場の長さは550㍍で幅は34㍍。広場の両サイドには水深2㌢の水路が流れている。東側の歴史水路に埋め込まれた617個の床石には朝鮮時代以降の重要な歴史が年代順に刻まれている。
一方、西側水路にはこれからの歴史を記録するため、何も刻まれていない。
李舜臣将軍像の周りにある「噴水12・23」には、李舜臣将軍が12隻の船で23戦23勝したという意味が込められている。六曹通り再現広場、都市文化広場、カラフルな花で飾られたフラワーカーペットなどが見ものだ。
広場の奥には、朝鮮時代の第4代国王でハングル文字を創製した世宗大王(セジョンデワン)の銅像が陣取っている。昨年10月9日のハングルの日に公開された銅像は、高さ6・2㍍、幅4・3㍍、重さ20㌧と大型で広場の新しいシンボルになっている。そして銅像の地下部分には、「セジョンイヤギ」という体験展示ホールが設けられている。ハングルに関する展示のほか、さまざまな文化や技術の発展に尽くした世宗大王について知ることができる。
■新世界センタムシティ■
海雲台は1・8㌔の砂浜が弓なりに続く、韓国屈指のリゾートビーチ。約12万名を収容できると言われ、海岸沿いに高級ホテルが軒を連ねている。
国内外の観光客も多く訪れ、海水浴シーズン(7月1日~8月31日)になると、砂浜の上にはビーチパラソルが何重にも並ぶ。また、海水浴ばかりでなく、ジェットスキー、モーターボート、バナナボートなども楽しめる。
ビーチ周辺には外資系レストランも多く、お洒落なバーやレストラン、アウトレットモールなど、ショッピングからグルメまでなんでも揃う。
海雲台には昨年3月、韓国最大の複合ショッピングモール、新世界センタムシティがオープンした。世界で初めて百貨店と温泉を組み合わせたリゾート型複合ショッピングモールで、売場面積は12万6447平方㍍。地下1階には約1万6500平方㍍の超大型食品街があるほか、シャネルをはじめ、エルメス、ルイ・ヴィトン、カルティエなど44のブランドが入居している。
また、シネマコンプレックスや、アイススケートリンク、スポーツクラブ、ゴルフ練習場、スパランド、英語教育施設、ギャラリーなどの施設が設けられている。
海雲台ビーチの真ん中にある釜山アクアリウムも、家族連れや若いカップルで賑わう観光スポットだ。総面積1万3000平方㍍で、韓国最大の水族館。総合面積4000坪で、3000㌧規模のメイン水族館では世界中のサメが泳ぎ回り、長さ80㍍の海中トンネルには、グレノスシャークなどの大型魚からニモの愛称で親しまれているクマノミまで約350種類、約3万5000匹の生き物が生息している。
■仁寺洞「サムジギル」■
歴史と伝統、芸術の街として知られ、骨董品、古書、陶磁器、韓服、アクセサリーなどを扱う店が、600㍍ほど続く「仁寺洞(インサドン)キル」にずらりと並んでいる。伝統の街という雰囲気があり、温故知新のイメージが強いが、最近は現代アートギャラリーやお洒落な雑貨店が増え、過去と現在が共存する街として、日本からの観光客はもちろん、ソウルっ子にも大変人気のスポットだ。
そのなかでも新たな観光スポットして人気を集めているのが、2004年にオープンしたアートショッピングモール「サムジギル」だ。地下1階から4階までの5フロアからなる吹きぬけの建物に70以上のショップが入店している。らせん状の通路で最上階まで上がれる不思議な構造になっている。設計者の崔ムンギュ教授(延世大)は、「建物というよりも道であり、道は人々の美しさを見せる場所である」と設計意図を語っている。
地下1階にはカフェやレストランが入り、1~3階に画廊、工房、生活用品、伝統紙ショップ、手工芸品、陶磁器売り場などがあり、4階が屋上庭園で現代風のカフェなどもある。また、3カ月に1度の割合で展示物や建物の装飾が変更されるため、訪れるたびに新しい発見があることから、リピーターも多い。
■大阪で忠清北道観光説明会開催■
「2010大忠清訪問の年」に指定されている忠清北道の李承勲・副知事をはじめ関係者が来阪し、11日大阪市内で「忠清北道観光説明会」を開いた。
忠清北道は韓国中部に位置し、月岳山(ウォラクサン)や忠州湖(チュンジュホ)など、豊かな自然に恵まれた観光地と温泉(水安堡/スアンボなど=写真)で有名だ。
80年に建設され、歴代大統領の別荘地として使われていた青南台(チョンナムデ)も見学できる。また9月には「国際韓方バイオエキスポ」も開かれる予定だ。
李副知事は、「魅力いっぱいの忠北を訪問して欲しい」とあいさつした。