◆韓日往来500万人時代へ◆
大阪支社開設後、今日に至る60年は韓日交流が飛躍的に増大した60年でもあった。特に文化交流の面では、「韓流」「日流」の言葉に象徴されるように、急速に関心が高まっている。それに比例して観光客の相互往来も増加している。韓国は2010年から2012年までの3年間を「韓国訪問の年」とし、伝統文化と世界の最新トレンドが共存する国、韓国の魅力をアピールしている。韓流スターのペ・ヨンジュンとフィギュアスケート女子バンクーバー冬季五輪金メダリストの金妍兒(キム・ヨナ)が観光広報大使を務め、期間中、様々な特典を用意している。一方、日本政府観光局(JNTO)も、今年の訪日外国人旅行者数1000万人を目標に、「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を大々的に展開している。その効果もあって韓日とも観光客は順調に増え続けており、今年は初の相互往来500万人を実現するとみられる。
◆公州扶余・迫力の2010世界大百済典◆
大陸文化を日本にもたらした古代国家・百済(紀元前18年~660年)。その都が置かれた韓国の公州(コンジュ)市と扶余(プヨ)郡で、百済の歴史と文化を体験できる「2010世界大百済典」(9月18日~10月17日)が始まった。
17日の開幕式には李明博大統領、忠清南道と姉妹提携する熊本県の蒲島郁夫知事らも出席し、開幕を祝った。同イベントは、公州市と扶余郡が55年前から百済の栄華をしのんで開いてきた「百済文化祭」をスケールアップ。美しい自然景観と特殊効果を駆使して演出される韓国屈指の水上ミュージカルは、扶余の落花岩(ナックァアム)と公州のコマナルで上演される。
また、百済の人々の気概や開拓精神をテーマにしたストリートパフォーマンスが展開される。特に、123頭の馬と100人の兵士が見せるパレード「大百済騎馬軍団の行列」、プロの時代劇俳優1000人が出演するスペクタクル「黄山伐(ファンサンボル)戦闘の再現」には圧倒されること間違いなしだ。
さらに国立扶余・公州博物館では、「百済遺物特別展」が開かれる。百済の文化遺産を鑑賞できるだけでなく、デジタル技術を駆使して当時の風景や暮らしを再現。タイムスリップしたように百済を疑似体験できる。
日本や中国など10カ国から専門家を招いて、「交流王国大百済の足跡」「世界歴史都市の過去・現在・そして未来」をテーマにしたシンポジウムも開催される。
他にも、韓流の原点ともいえる伝統民俗公演、復元された金銅大香炉の5楽士が奏でる神秘的な百済の音楽、観覧者が仮面を被って参加できるカーニバルなど、楽しさと感動が満喫できるだろう。同展はまた、奈良県の平城遷都1300年祭と連携しており、2つのイベントを通して韓日交流の悠久の歴史が浮かび上がる仕組みだ。
2012年には沿岸部の麗水市で「2012麗水世界博覧会(麗水エキスポ)」も予定されており、百済の故地が脚光を浴びそうだ。
百済と日本の関係は古く、深い。奈良県天理市の石上(いそのかみ)神宮に伝わる七支刀(ななつのさやのたち)は369年、百済王が倭王のために作ったとの銘文が残されている。538年、仏教を日本に伝えたのは百済の聖明(ソンミョン)王。白村江(ペクチュンガン)の戦い(663年)では、百済復興をかけ、ともに唐・新羅連合軍と戦った。戦に敗れた後、平城京には百済の遺民が大勢暮らしていた。
745年、平城京始まって以来の大事業であった東大寺の大仏建立に際して、物資不足に悩む聖武天皇にとってこの上ない幸運な出来事が起きた。陸奥国で黄金が産出したのだ。貢納したのは百済王敬福(くだらのこにきしきょうふく)。その名の通り、百済王族の末裔であった。
◆ソウルから慶州・全州へ◆
「2010―12韓国訪問の年」に合わせて、これまで交通の便が心配で行きにくかった地方に、ソウル・光化門(クァンファムン)から無料シャトルバスで訪れるサービスが行われている。
現在運行されているのは、ソウル―慶州(キョンジュ)、ソウル―全州(チョンジュ)、ソウル―堤川(チェチョン)、また釜山―慶州も運行。慶州は古代文化が残る都市で、仏国寺(ブルグッサ)、石窟庵(ソックラム)などがある。
全州は食の都として有名で、伝統文化を色濃く残す韓屋村などがある。
堤川では、最新の韓方薬などを紹介する「国際韓方バイオエキスポ」が16日まで開催されている。
同サービスは今年末までで、インターネットで事前に申し込む。http://Japanese.visitkoreayear.com/japan/main.asp
◆2011年大邱世界陸上選手権◆
「2011大邱世界陸上選手権大会」は、「夢、情熱、挑戦 明日に向かって共に走ろう」をスローガンに、2011年8月27日から9月4日までの9日間、大邱市の大邱スタジアムで開催される。
世界213ヶ国から選手・役員・記者団など7000人以上が参加し、47種目(男子24、女子23)が行われる。
大会を通して、韓国とアジアはもちろん、世界を越えてすべてが一つになるグローバル・ヴィレッジの実現を目指す。さらに、大邱市が大会を開催することで、世界の中心都市として飛躍することを目指す。
韓国は2008年の北京夏季五輪、2010年のバンクーバー冬季五輪での活躍でスポーツ大国として跳躍した。
陸上競技についても世界トップに並ぶべく、選手のトレーニングに力を入れている。