◆農村にアイデア持ち込み新風◆
農村に向かう30代、40代が増えている。比率では50代以上の世代よりは少ないものの、世帯数では過去3年間に約6―8倍増加した。特に30代、40代の世代は、新しい栽培方法やマーケティングを導入するなど、農村に新風を吹き込んでいる。また、若い農家が増えたことで、インターネットでの農業機械販売が増加傾向にある。
統計庁と農林畜産食品部によると、2010年から13年の帰農・帰村世帯数の増加率は、30代以下が8倍と12・6倍の60代以上に続いて二番目に高い。60代以上の場合、ほとんどが故郷に戻って来るUターン組であるのに対し、若年層は農業を新しい創業のアイテムとして選択し、製品をブランド化し、インターネットなどのオンラインと融合する一方、作物に付加価値をプラスして創出する「農業の6次産業化」を試みているという分析だ。
ある31歳の若い農業従事者は、ソウルの江南で育った都会っ子だったが、10年から忠清北道で帰農し、ブルーベリーの栽培を始めた。大学では情報学を専攻し、金融機関に就職、その際偶然、営業先が農家となり、農業に興味を持つようになったという。だからといってむやみに農業を始めたわけではなかった。
当時、老化予防のアンチエイジングブームの真っ只中である点に着目して栽培品目にブルーベリーを選択。その後、6カ月間にわたって全国のブルーベリー農園を見学し、教育を受けた。実際に農業を始めた12年初めからは、農場体験とキャンピングの合成語である「ファームピング」と名付けPRし、農場の売上が30%、来場者は2・5倍に増えた。この農業従事者は、「帰農成功の秘訣は緻密さを備えること。そして農作物を適切に生産し流通させることだ。今後は敷地内にデザートカフェを開くのが目標」と語った。
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