◆訴訟リスク減らし技術革新に集中◆
IT(情報技術)業界のハードウエア分野でトップのサムスン電子が、ソフトウエア分野首位の米グーグルと今後10年間、全ての特許を共有する。サムスン電子はグーグルと今後10年間、既存特許はもちろん、今後出願する特許まで共有する内容の「包括的特許クロスライセンス契約」を締結したと発表した。
両社のブランド価値を合わせると1329億㌦に上る。米国のブランドコンサルティング会社のインターブランドによると、2013年時点でサムスン電子は396億1000万㌦、グーグルは932億9000万㌦のブランド価値があると推定される。
サムスン電子とグーグルの「包括的特許クロスライセンス契約」の締結は、世界のIT業界のハードウエアとソフトウエアの分野をリードする両企業が長期間にわたり全ての特許を共有するという点で非常に異例だ。技術変化の速度が速いIT業界でトップレベルの両企業が10年間、全ての特許(今後開発する特許を含む)を共有するのは前例が見当たらない。
サムスン電子はこれまで、ハードウエア分野に比べて劣るという評価を受けてきたソフトウエア分野の技術力育成のために多くの努力を傾けてきた。昨年はグーグルのエリック・シュミット会長とラリー・ペイジCEO(最高経営責任者)など、同社の主要関係者が次々とサムスン電子本社を訪問し、李在鎔副会長と面談した。こうした過程を経て、両社は互いの理解の幅を広げ、今回の契約を締結するに至ったという分析だ。
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