◆LG経済研が報告書「2015年下半期の経済見通し」◆
LG経済研究院は、韓国の経済成長率(GDP)見通しを従来の3・0%から2・6%に下方修正した。企画財政部が先月発表した成長見通し(3・1%)をはじめ、韓国開発研究院(3・0%)、金融研究院(2・8%)、ハナ金融経営研究所(2・7%)などの他研究所の見通しより低いレベルである。LG経済研究院は、報告書「2015年下半期の経済見通し」を発表し、「輸出不振が深刻化し、国内経済の成長活力が著しく低くなる中、MERS(中東呼吸器症候群)コロナウイルス問題で生産規模が大幅に減少して、第2四半期(4~6月)の経済成長率は、前期比でのプラス成長は難しい見込み」と予測した。また、LG経済研究院は、「MERSの影響で韓国経済の成長率が0・3~0・4ポイント低くなる見通しだが、政府の補正予算の投入によってほぼ相殺されると予想される」としながらも「下半期の世界経済の不透明な成長など、下半期も韓国の輸出回復は難しく、企業の設備投資も減少に転じるだろう」と分析した。
MERSに対する懸念により6月中の国内レジャー活動が急激に萎縮し、余暇活動、医療、保健などのサービス産業が大打撃を受けた。こうしたMERS発生に伴う経済的影響は、第3四半期(7~9月)まで続く見通しである。MERSが完全に沈静化した場合、国内消費心理は急速に好転し、第3四半期中に、以前のレベルまで戻す可能性もあるが、外国人観光客のMERSに対する不安は7~8月まで続く見込みで、観光部門の消費回復を遅らせる要因となる見通しだ。
今年初頭まで低迷を続けていた建設投資は急速に増えている住宅分譲に支えられ、下半期は回復に転じると予想される。補正を通じた政府の財政拡大政策も下半期の経済が内需萎縮の悪循環に陥るのを防ぐ役割をする。しかし、下半期も輸出の回復は難しく、産業別に見ても、半導体など一部の品目を除いては輸出見通しが明るくはない。これにより、年初まで高い増加率を記録していた設備投資も下降傾向に転じる見込みである。
つづきは本紙へ