◆スマートカーの先兵、サムスンベンチャー投資◆
モノづくりという意味でのエレクトロ企業を脱していくために、サムスン電子はサムスンベンチャー投資を通じてバーチャルリアリティー(VR)、ヘルスケア、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、ソフトウエアなど、多様な企業に投資している。最近注目されている投資はスマートカー(IT技術を組み込んだ近未来型自動車)である。
昨年12月にサムスン電子が電装事業チームを新設したことで、スマートカーの開発体制は、サムスン電子本社・シリコンバレー・サムスンベンチャー投資による三位一体となって活動している。
2016年2月、サムスン電子はエリクソン、IBM、AT&Tなどとコネクテッドカー(ICT端末としての機能を有する自動車)で協力関係を構築し、翌月、位置情報関連のソフトウエア会社であるHEREとコネクテッドカーエコシステム構築のための技術協力業務協約(MOU)を締結した(図表①)。
6月にはシリコンバレーにあるサムスンリサーチアメリカ(SRA)が、コンピュータビジョン・ARラボを新設し、ARとAIを通じて自律走行システムの開発研究に乗り出し、7月には上海サムスン半導体有限公司が、中国の電気自動車メーカーBYDの持ち分1・92%(5120億㌆)を取得した。
構造調整や事業再編が加速する中、サムスン電子本社、SRAと連携して自律走行システムの開発に邁進している組織がサムスンベンチャー投資(1999年10月設立、資本金300億㌆)である。15年までの7年間にサムスンベンチャー投資の出資金額は1兆6150億㌆に達し、昨年初めから今年4月の期間だけでも29社に投資している。
つづきは本紙へ