◆現代経済研が報告書、2016年の韓国の輸出を分析◆
現代経済研究院は報告書「2016年輸出の主要問題点と示唆点」を発表した。今年も世界経済の低成長によって貿易が大幅に改善されるのは難しい見込みで、輸出景気の低迷が長期化する恐れがあるという懸念が広がっている。韓国経済の高い貿易依存度を考えると、輸出不振はイコール低成長を意味する。したがって、対外環境に期待するのは難しく、これを口実に企業や政府が輸出の回復努力を怠ってはならないだろう。今後輸出が確実な景気転換点を構築し、その後の回復基調が堅固になれば助けになるだろう。16年の輸出回復の足かせになる可能性がある問題をチェックし、対応策を模索してみた。
16年の輸出は、中国の輸出鈍化の継続にもかかわらず、世界景気の緩やかな回復などによって増加傾向に転じる見込みだ。16年の韓国の輸出は、世界景気の緩やかな回復や前年低迷の反動などの要因で、年間3・9%増加すると予想される。また、輸出増加率は上半期の3・2%から下半期に4・6%を記録するものと見込まれる。
今年の韓国の輸出景気回復を阻害する恐れがある障害物を見てみると、まず、世界経済は緩やかに改善されるが、その改善傾向は先進国を中心に構成され、新興国の輸出依存度が高い韓国の輸出景気の回復は制約される恐れがある。16年の世界景気は先進国の回復と新興国の鈍化による「デカップリング(連動していたものが連動しなくなる現象)」が現れ、先進国と新興国間の成長格差が減少する見込みである。これにより新興国向け輸出依存度が15年に58・2%に達した韓国の輸出の回復が制約される恐れがある。
次に価格の下落は、海外の実質購買力を高め、輸出量を牽引することが期待される可能性があるが、対外需要の絶対不足で輸出景気の回復にプラスとならない可能性もある。15年には、国際原油価格など原材料単価の下落に輸出価格下落が続いた。16年も1バレル当たり40~50㌦台前後の低原油価格が続く見通しや、対外需要条件の不振が購買力増加効果を相殺しており、輸出量の改善効果は制約される可能性もあると判断される。
つづきは本紙へ