◆現代経済研が報告書、今年の主要経済問題を分析◆
現代経済研究院は報告書「2016年国内外の主要経済問題」を発表し、今年1年、韓国経済を取り巻く国内外の環境で注目すべき重要問題として米国と中国、原油安、国内景気サイクル、輸出見通しなどを挙げた。最近、実体経済が一定部分で堪え性をみせ、景気下方硬直性の様相も見せ始めている。同研究院は、国内外の主要経済問題を考える視点として、今後対応をどのような方向で進めるべきかを模索した。
16年の国内外経済問題ではまず、米国経済の動向として米国経済が今後の成長動力を失って「ダブルディップ(二番底)」に陥るか、それとも景気「拡張」の局面に突入するかについての問題である。時間が経つにつれ、米国経済の見通しがやや否定的に変化している。例えば、IMF(国際通貨基金)は、15年1月の時点で、16年の米国の経済成長率を3・3%と予測したが、1年後の16年1月には2・6%に下方修正している。一方、やや肯定的に見る視点からは、最近の米国経済成長の核となり得る消費が強固であり、消費心理も改善傾向を持続している点を挙げている。
第2に、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げの影響については、米国の金利引き上げが新興国の危機を誘発し、世界経済全般に「否定的」な影響を与えるのか、それとも実体経済に「中立的」な影響を与えるかについての問題である。否定的に見る視点からは、米FRBの金融政策(基準金利の引き上げ)によって発展途上国からグローバル資金が離脱して景気低迷が続くというもの。一方、その影響を中立的に見る立場では、最近米FRBが中国をはじめとする世界経済の成長鈍化を懸念しており、過去の金利引き上げの例からしても世界経済の成長率にマイナスの影響を与えることがあり得る。このためグローバル経済に衝撃を与えるほど急激に金利を引き上げないという判断に基づいている。第3に、中国経済の方向性として中国経済の下方リスクが現実化されている中、今後景気が低迷局面(ハードランディング)に陥る、あるいは景気減速(軟着陸)の程度にとどまるかについての問題が挙げられる。
中国経済を否定的に見る立場からは、中国の構造的な問題が深刻化し、経済成長率が急落すると見ている。さらに、金融市場や国際分業構造を通じて韓国のように「輸出の対中国市場の割合」が高く、同時に「経済の輸出依存度」が絶対的な国が困難に陥ると見込んでいる。しかし、やや肯定的に捉える立場からは、中国内でサービス業といった内需景気の安全弁が機能しており、以前と同じように、中国政府の景気安定化への努力が伴うことが予見されるため軟着陸が可能と見ている。
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