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2016/09/16

<Korea Watch>仕事の「質」改善が不十分

◆現代経済研が報告書、国内雇用構造の変化を分析◆

 現代経済研究院は、報告書「国内賃金労働者の雇用構造の変化と示唆点」を発表した。「良い仕事」とは、おおむね十分な賃金、生産的な仕事、適切な労働時間と雇用保障、安全な職場環境などが提供されている雇用のことをいう。経済や社会の中での仕事とは、量(Quantity)の側面も重要だが、質(Quality)の側面が重要だという認識が広がり、「良い仕事」への関心が高まっている。

 しかし、青年層の就職難長期化、高齢労働者の低所得化、雇用の不安定性深化といった仕事の質の改善が不十分であるという点が指摘されている。本稿では、2006年から15年までの賃金労働者を主な分析対象として「良い仕事」の構造の変化から示唆点を見出してみる。

 国内雇用の質的評価分析の結果 、まず雇用の安定性(正規職と非正規職)と所得(適正水準未満、適切レベル以上)に応じて、良い仕事(適正所得以上、正規職)、まともな仕事(適正所得以上、非正規職)、大変な仕事(適正所得未満、正規職)、悪い仕事(適正所得未満、非正規職)に区分した。こうした雇用の分類 (タイプ別の仕事)の4つのタイプのうち、良い仕事の割合が増加している。

 良い仕事は、06年に414万件から15年に674万件へと260万件増加し、その割合も27・0%から34・9%に増加した。一方、大変な仕事は、06年の37・5%から15年には32・6%に、悪い仕事は29・8%で27・5%にそれぞれ減少して仕事の質が改善されると判断される。

 良い仕事が増えたのは、勤労所得と労働安定性の両方が改善されたことに起因するものと判断される。まず、勤労所得の場合、中位所得125%以上の適正所得以上の仕事の割合は、06年の32・7%から15年は39・9%に増加した。また、同期間における正社員の雇用の割合は64・5%から67・5%に増加した。

 労働時間の面では、06年から15年までの長時間労働雇用は減少して短時間雇用が増加した。


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