◆現代経済研究所が報告書、リーガルテック産業の現状を分析◆
現代経済研究院は報告書、「リーガルテック産業の現況と示唆点」を発表した。リーガルテック(Legaltech)とは、法律(legal)と技術(technology)を組み合わせて新たに誕生した産業サービスを指す用語で、金融とIT技術が結合したフィンテック(fintech)の法律バージョンとも言える。
法律サービスの分野では、これまで他の知識サービス産業に比べて相対的に技術の導入が遅れてきたが、最近ではビッグデータをはじめ、人工知能などICT(情報通信技術)が発展し、法律サービスと技術の融合が加速し、新しい付加価値を創出している。
供給面では、法律家の負担過重と業界内の競争激化、需要側では一般の法律サービスの需要拡大などが産業の成長をけん引している。
リーガルテックの成長に応じて、法律サービスの効率性の向上、法律サービスの質的向上、利用者の問題改善などが期待される。本稿ではリーガルテック産業の展望と有望分野をみながら示唆点を導き出してみる。
世界のリーガルテック産業市場は、2010年前後に形成された新産業のため正確な市場規模を知ることは難しい。ただし、リーガルテックスタートアップ企業への投資は、11年の9140万㌦から15年は2億9200万㌦へと4年間で3倍に拡大しており、電子請求、法律事務管理などの法律サービスソフトウエア市場は、15年の約38億2800万㌦から19年までに57億6300万㌦の規模に成長すると予想される。特に米英圏やドイツなどで活用が進んでおり、サービスの分野も多様化している傾向にある。
対する国内市場では、比較的最近になって政府が研究開発投資を推進しており、リーガルテックスタートアップ企業が登場する産業の初期段階に突入したばかりの状況である。ただし、法律産業関連法・規制が弊害となり、リーガルテック産業の発展が遅れる恐れが一部から指摘されている。
法令検索は判事、検事、弁護士に至るまで、法律サービスを実行するための基本的な業務であるが、かなりの労力と時間が投入される。ところが、テキストベースの法令検索は、特に人工知能などのICTの搭載によって早期に業務の効率化が期待される分野として注目されている。
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