昨年、サムスンでは「崔順実」スキャンダル、「ギャラクシーノート7」の発火事故など、財閥の将来を根底から揺るがす大事件が立て続けに起こり、現在も尾を引いた状態にある。ここでは「ギャラクシーノート7」の発火事故後のリコールが、世界各地のスマホ売上げにどの程度の影響を与えたのかを検証する。
発火事故の経緯を簡単に振り返ってみたい。昨年8月、韓国、米国、カナダ、欧州、シンガポールなど10カ国で「ギャラクシーノート7」の販売をスタートし、年内1200万台を目標に順調に滑り出した。ライバルの米アップルが9月初旬、アイフォーン7を発売する直前のタイミングであり、市場を先行して獲得する狙いも込められていた。
しかし、発売から1週間ほどすると、米国などで爆発事例がSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)や動画サイトなどで次々と報告されるようになった。9月2日、スマートフォン事業を総括している高東真・無線事業部社長が、ソウルで緊急記者会見を実施した。爆発事故を率直に謝罪するとともに「ギャラクシーノート7を新製品に交換し、消費者が希望するなら返金に応じる」との方針を明らかにした。
それでも事態はさらに悪化した。米国では「ギャラクシーノート7」が燃えた車の中から見つかったとの報道も続き、9月8日には米連邦航空局が航空機内での使用自制を勧告した。米消費者製品安全委員会は翌日、使用中断措置を下したほか、欧州航空安全庁や日本の国土交通省なども「ギャラクシーノート7」の機内使用を禁止した。こうした事態を受けて米消費者製品安全委員会は9月15日、「ギャラクシーノート7」の公式リコール(無料の回収・修理)を発表した。
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