◆加速する世代交代と李在鎔時代の幕開け◆
崔順実事件の発覚により、検察が李在鎔副会長に対して受動的賄賂であっても暗黙的請託(継承へのメリット)があったとして、2017年8月の1審で懲役5年(求刑懲役12年)の判決が下された。李副会長は拘置所に収監されて長期の経営空白を生み、グループのコントロールタワーであった未来戦略室も解体(17年3月)、事業・組織改編と世代交代を推進する司令塔を失った。
まず事業再編で急がれるのは、携帯電話を主力とするIM(ITモバイル)部門である。中国企業の追い上げと中国国内のシェア低下を反映して、中国の従業員を1万人以上減らしたものの、韓国本社のスマートフォンに集中した人材の再配置とIM部門の全体のスリム化は避けられない。
次に組織改編で注目されるのは、17年5月、サムスン電子がファウンドリー(半導体委託生産)事業部を新設したことである。システムLSI事業部内のファブレス(開発・設計を行い製造は外部に委託)とファウンドリー事業を分離したことで、これまで弱いとされていたシステム半導体(非メモリー系)の強化を図ったことである。
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