◆現代経済研が報告書、「3高」時代入りの可能性を分析◆
現代経済研究院は報告書「3高時代へ突入の可能性点検と示唆点」を発表し、高金利、原油高、ウォン高が同時に発生する「3高時代」の可能性について提起した。3高時代に突入した場合、基本的には内需と経常収支の両方にマイナスの影響を及ぼし、経済成長を制約する要因になる可能性が大きいと判断される。まず、国内市場の金利が上昇した場合、家計負債の元利金返済負担が増加し、消費回復を遅延させる要因として作用するものとみられる。また同時に、企業の資本調達コストも増加することになり、投資回復に否定的な影響を与える可能性がある。
ウォンの上昇は、輸出製品の価格競争力を低下させ、輸出の回復を遅延させる要因として作用する可能性がある。また、韓国ウォンの価値が上昇した場合の旅行収支などサービス収支の赤字幅が拡大する見通しだ。
韓国経済の状況からして3高時代に突入した場合、マイナスの影響が肯定的な影響を圧倒する可能性が高いと思われる。経済のファンダメンタル(経済の基礎的条件)が健全で内需と輸出に大きな問題がない場合は、たとえ3高時代に入っても経済成長に及ぼす影響は大きくない。しかし、今のように内需低迷が続き、輸出景気の回復が微弱であり、特に家計負債問題など経済の健全性が脆弱な状況では、3高が内需と輸出の両方の回復を阻害する要因になって韓国経済に大きな脅威となる可能性が高い。
最近、米国の政策金利引き上げ傾向が強固になっており、世界的な低金利時代が終わり、高金利時代に突入する可能性が浮上している。米国連邦準備制度理事会(FED)は政策金利を2016年12月に続き、17年3月にも相次いで引き上げた。また、米FEDは今年中に少なくとも2回の政策金利引き上げを公言しているため、低金利時代が終結されるものと予想される。今後こうした米国の政策金利引き上げ基調が維持される場合、韓国の政策金利引き上げ圧力が増大するとみられ、過去の経験上、韓国の政策金利引き上げ時点は、米国と多少の時差を置くことが予想される。韓国銀行の政策金利引き上げ基調への転換は、今年下半期から遅くとも来年上半期中に開始される可能性がある。
今後、国内の政策金利が引き下げられない限り、国内市場の金利は米国の政策金利の引き上げ傾向に影響を受け、上昇圧力が高まると予想される。最近、国内のCD(譲渡性預金)金利は、韓国の政策金利引き下げ時に下落し、米国の政策金利引き上げの際に上昇するパターンを持続している。
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