◆現代経済研が報告書、製造業M&Aの国際比較を分析◆
現代経済研究院は報告書「製造業M&Aの国際比較と示唆点」を発表し、国内製造業は米国やドイツなどと比較しM&A(合併・買収)に消極的と指摘した。また、国内製造業の課題は海外企業の買収実績とノウハウ不足だとしてM&Aを促す政策が必要と強調した。報告書はまず、国内製造業は成長の回復と競争力の拡充が必要と指摘。2010年に18・5%であった売上高の増加率が、15年にはマイナス成長(3・0%減)に陥っている。世界の製造業競争力ランクも20年6位(10年3位、12年5位、15年5位)に下がると予想されている。第4次産業革命に合わせて新しい先行技術を確保することも課題だ。近年、世界的にM&Aが急増しており、特に製造業では14~16年の3年間が、11~13年の3年間に比べ115%増加するなど、世界中のメーカーがM&Aに競争的に乗り出している。
本研究では、国内製造業のM&A動向を、米国、ドイツ、日本、中国と比較して示唆点を提示する。世界主要国の製造業復興(ルネサンス)が本格化した14年を基点に、11~13年と14~16年のM&A実績の比較を中心に分析した。まず、韓国製造業はM&Aが不振である。国内製造業のM&Aは、ほぼ100億~200億㌦水準で停滞している。14~16年の実績は11~13年の3年間に比べ取引額は29%増加したが、ドイツの307%増加、中国の257%増加、米国の107%増加とは大きく隔たりがある。1件当たりの金額増加率の面でも、韓国はわずか3%増にとどまったが、ドイツは289%増加、中国231%増加、米国88%増加など、各国では製造業のM&Aが大型化している。
第二に、韓国の製造業は金融業、消費財業種の企業を中心にM&Aを実施したのに対し、他の比較国は主に消費財、基礎素材業種を買収した。韓国製造業は14~16年の間に、金融(11~13年比678・8%増)、消費財(同175・1%増)企業を中心にM&Aを行った。米国と日本の製造業は消費財業種、ドイツは基礎素材や消費財業種で多くのM&Aが行われたことと比較すると明確な違いがみられる。
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