◆現代経済研が報告書、今年の韓国経済見通しを分析◆
現代経済研究院は報告書「2017年韓国経済の修正見通し」を発表し、今年の成長率を2・5%と予想した。韓国の景気動向は上昇傾向に転換しており、今年第1四半期の経済成長率と景気動向と先行指数は上昇基調を維持している。しかし、経済主要指標である民間消費成長への貢献はまだ低い。成長が建設部門に大きく偏っており、輸出景気と設備投資がやや停滞している。今後の景気について楽観的に評価することは難しく不安定な状況にある。
昨年末から年始にかけて発生した一連の政治不安が大統領選挙を経て緩和された。このことから、今年の韓国景気の流れが昨年末時点に予想していたほど悪化する可能性は高くないと判断される。
国会通過の手順を残しているが、11兆㌆規模の補正予算の執行が予想される。これにより、増える政府支出は、経済成長率の向上につながるものとみられる。しかし、世界の保護貿易主義に起因する世界的な貿易リスク、米国の基準金利の引き上げに伴う金融市場不安、国内家計負債増大による消費の冷え込みが続き国内景気の回復は、限定的となる見込みだ。
これらを鑑みて政治リスク緩和による経済心理の改善や補正予算執行などにより、2017年の経済成長率見通しを従来(2016年12月時点の予測)の2・3%から2・5%に上方修正する。しかし、相変わらず抱えている内外リスク要因があり、2016年の2・8%よりは低い水準となる見通しだ。
2017年の民間消費増加率は1・9%と予想される。家計所得の増加など、景気要因と家計負債元利金償還負担、住居費の負担増など構造的要因が継続的に家計の消費を萎縮させるものだ。
2017年の建設投資の増加率は5・7%と予想される。上半期には建築部門と民間部門を中心に、比較的しっかりした増加傾向を示した。
しかし、下半期には社会間接資本(SOC)部門予算の縮小に起因する公共土木部門の不振、金利上昇の可能性と家計負債管理対策による民間建築景気悪化の懸念などで、建設投資はやや鈍化する見込みだ。
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