◆現代経済研が報告書、建設投資依存型の経済構造を分析◆
現代経済研究院は報告書「建設投資依存型の経済構造の問題点」を発表した。建設投資による経済成長寄与率と全産業就業者の増減寄与率に占める建設業の割合が高いレベルを維持しており、国内経済の成長を牽引している。建設投資の増加率は、経済成長率を大きく上回っており、成長寄与率が2016年第4四半期に75・0%まで拡大後、17年第2四半期には56・0%とやや鈍化したが、5四半期連続で50%以上を上回るなど、高いレベルを示している。さらに最近では建設業の就業者が、他産業群に比べ最も大幅に増加している。建設業就業者の増加数は、16年第3四半期に3・8万人とプラスに転換後、17年第2四半期に15・7万人へと増加し、建設業の全就業者増減寄与率は同期間に12・0%から42・8%へと大幅に拡大した。そこで本報告書は、最近の建設投資依存度拡大の背景から建設投資が弱体化した場合の問題点と示唆点を導き出してみる。
建設投資が経済成長を牽引した背景は、以下の通りである。まず、建設投資の経済成長への寄与度と寄与率が拡大した要因は、他部門の経済成長への寄与度と寄与率が相対的に低くなったことに起因する。支出項目における建設投資と設備投資の成長寄与度と寄与率は増加した一方、最終消費と純輸出は下落した。成長寄与率の面からみると、建設投資と設備投資の寄与率は、それぞれ16年第1四半期に41・4%、13・8%減と17年第2四半期には55・6%、51・9%に増加した一方、最終消費支出と純輸出の寄与率は、同期間にそれぞれ65・6%、13・8%減から55・6%、88・9%減に低下した。
第二に、建設業の生産増加率と売上増加率が、他の産業群に比べて高い水準を維持している。建設業の生産指数伸び率は、17年第1四半期が17・9%と、6四半期連続で二桁の増加率を記録し、建設業が好調であることを示している。一方、製造業を含む鉱工業とサービス業の生産指数の伸び率は2~3%台と成長が鈍化している。さらに建設業の16年の売上高の増加率は5・9%で、全産業の1・1%、サービス業の5・7%、製造業の1・4%減と比べて最も高い伸び率を示している。
第三に、建物の建設、民間建設部門の増加率が急速に増加し、建設投資の拡大を牽引している。資本財形態別に見た建設投資の居住用、非居住用部門の増加率がそれぞれ20%、10%台以上の増加率を記録し、建物の建設投資増加率が14年第4四半期の3・5%から17年には第1四半期16・4%に増加した。しかし、土木部門は、15年第4四半期以来のマイナス成長率を記録している。
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