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2017/09/15

<Korea Watch>韓国のビジネス機会を模索

◆現代経済研が報告書、中国の「一帯一路構想」を分析◆

 現代経済研究院は報告書「中国の一帯一路構想における機会と示唆点」を発表した。2013年に提唱された中国の一帯一路構想は、2016年1月に、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を立ち上げ、2017年5月には一帯一路国際協力フォーラムを開催するなど、基礎固めの状況にある。本報告書は、中国の一帯一路構想におけるビジネスについて韓国が確保できる機会を探り、影響国との経済関係を把握するものである。

 中国の習近平国家主席が新たな発展戦略として打ち出した陸と海のシルクロード経済圏「一帯一路」構想。一帯はシルクロード経済ベルトとも言われ、中世に欧州とアジアを結んでいた交易路、シルクロードの現代版を構築しようという構想だ。一方で一路は、〝海のシルクロード〟を意味し、15世紀後半にポルトガルやスペインが開拓した欧州とアジアを結ぶ航路を現代に復活させようという構想である。経済政策やインフラ、投資・貿易、金融、人的交流の5分野で、交易の拡大や経済の活性化を図ることが狙いで、このうち高速道路や鉄道、港湾などの交通インフラ関連は中国・パキスタン経済回廊をはじめ、各地で大規模プロジェクトが着工している。

 同構想経済圏に含まれる国は、全世界のGDPの約30%に及ぶ65カ国を対象に推進される予定で、関連インフラ投資地域における韓国企業の進出機会の拡大が予想される。韓国の一帯一路関係国との貿易は、東南アジアだけでなく、中東、欧州諸国に拡張する可能性が大きくなると予想される。2016年現在、中国における一帯一路関係国との貿易のうち、東南アジア11カ国の割合は、2010年より5・4%上昇した47・9%と最も高く、中東・アフリカ15カ国が20・3%で後に続く。同期間、韓国も東南アジア11カ国との貿易の割合が47・0%と最も高く、中東・アフリカ15カ国との貿易割合は30・5%と二番目に高く、新興国投資市場への進出が拡大した。

 中国の東南アジア11カ国への投資割合は、全体投資のうち68・3%(2015年)を占めるなど、2010年以降に着実に増加している。韓国の対東南アジア投資の割合も64・2%(2016年)と高いが徐々に減少する傾向にある一方で中東・アフリカ地域15カ国への投資割合は増加傾向にある。また、中国と韓国共に欧州24カ国への投資割合が、再び急速に増加する傾向を示している。


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