◆現代経済研が報告書、EAEUとのFTAを分析◆
現代経済研究院が発表した報告書「北方に見出す機会、ユーラシア経済圏―EAEU FTAの意義と示唆点」によると、韓国とユーラシア経済連合(EAEU)が自由貿易協定(FTA)を締結し、EAEUに加盟するロシアの輸入関税が1%下がった場合、韓国の対ロシア輸出は3・3%増えるとの見通しが出た。ロシアは、豊富な天然資源と巨大な内需市場を有しており、多くの可能性を秘めた市場である。
世界12位の経済規模を有する国として、原油埋蔵量世界6位、天然ガス世界2位、石炭世界2位など、豊富なエネルギー源を保有する資源大国だ。ロシアの人口は約1億4300万人で世界9位の規模で、ロシアの領土面積は約 1700万平方㌔㍍と韓半島の約78倍、米国の約1・8倍の広さを有している。
韓国とロシアは、1990年9月の修交以来、2008年に両国間の関係を「戦略的パートナー関係」に格上げし、未来志向の協力基盤を強化してきた。ここでは、ロシアが加盟するEAEUとのFTAを通じて、韓国とロシアとの自由貿易協定が締結された場合の効果について分析してみる。
まず、ロシアは原材料価格の下落、西側諸国による経済制裁などで、過去2年間はマイナス成長を記録したが、17年に入って徐々に回復している。輸出の大部分を原油に依存しているロシアは、14年以降、国際原油価格の急落でルーブルが下落し、マイナスの経済成長率を記録した。しかし、17年に入って、ロシア経済は賃上げや基準金利の引き下げなどにより、家計消費や企業投資が好転している。これにより、IMFは今年7月時点の見通しとして、ロシア経済が16年の0・2%減から 17年は1・4%、18年は1・4%と経済低迷から脱し、緩やかな回復傾向を示すものとしている。
第二に、ロシアは国際原油価格下落の影響で、14年から3年連続で輸出入が全て減少し、16年の貿易収支は13年の半分に落ち込んだ。しかし、今年に入り、輸出29・5%、輸入27・4%増となるなど二桁の成長率を記録するなど急速な回復をみせている。
ロシアの主要貿易相手国は、対EU諸国で輸出45・7%、輸入38・2%と高い割合を占めている半面、対韓国では輸出3・5%、輸入2・8%にとどまっている。
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