◆現実味を帯びるサムスン半導体危機論◆
2018年11月1日サムスン電子は、サムスン半導体通信を合併してから30周年の創立記念日、という節目を迎えた(図表①参照)。創業翌年の1989年にはDRAM市場で東芝、NEC、米テキサスインストルメント(TI)に続きDRAM市場で占有率4位まで駆け上がり、92年には13・5%の占有率を記録してシェア第1位にまで上り詰めた。30年間にサムスン電子の売上高は82・6倍、営業利益は373・6倍に激増した。
半導体はサムスン電子の主力製品であり、現在では全世界DRAM市場のほぼ半分を占める。18年第3四半期にはグローバルDRAM市場で、サムスン電子が占有率45・5%で1位、2位ハイニックスの29・1%を合わせると74・6%に達している。
韓国経済にとっても今や半導体が唯一の大黒柱といっても過言ではない。半導体の全体輸出に占める割合は15年の11・9%から17年には17・1%に上昇、18年(1~6月)の半期では21・2%、さらに直近の18年9月の半導体輸出実績は123億㌦に達し、韓国全輸出(505億㌦)の24・3%を占めている。18年10月末には半導体の輸出だけで1000億㌦を突破し、半導体の景況を語らずには韓国経済の今後も予測できないほどの位置を占めている。
この半導体に今、不安材料が浮上している。
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