◆現代経済研が報告書、米中の対韓保護貿易の現状を分析◆
現代経済研究院は、報告書「過去10年間における米中の対韓国保護貿易の現状と示唆点」を発表した。過去10年間、グローバル貿易における低成長が続く中、米国、中国など世界各国で保護貿易主義が着実に進行している。2000~2007年の間に7・3%だった世界における貿易の年平均増加率は、最近10年(2008~2017年)の間に平均3・3%まで低下した。これにより、主要国の保護貿易基調が強化されているが、特にG2(米国、中国)の対韓国保護貿易措置は、世界の流れと同様に貿易の技術的障害(TBT)、衛生植物検疫措置(SPS)に集中している。
米中の対韓国保護貿易の現状として、保護貿易措置は、一般的に関税、非関税や輸入規制(貿易救済)措置を含む包括概念で、対象国の範囲によっても差別的に適用する。本報告書では、G2による対韓国保護貿易措置の推移について分析し、示唆点を導き出すものである。
①G2の保護貿易措置は、TBT、SPSを中心に行われている。過去10年(2008~2017年)間に米国と中国の対韓国保護貿易措置の件数は合計5619件に上った。そのうち51・3%に当たる2880件はSPS措置、44・7%に当たる2510件はTBT措置だった。特に最近5年(2013~2017年)間では、米国と中国の保護貿易措置件数は減少に転じたが、絶対規模はまだ多い。
②最近5年(2013~2017年)間、米国と中国の輸入規制が増加傾向にある中で、特に鉄鋼分野における米国の輸入規制が強化された。米国の対韓国輸入規制の調査件数は、2008~2012年の2件から2013~2017年は22件と11倍に増加した。
米国の対韓国輸入規制は鉄鋼製品、電気・機械製品に集中しているのに対し、中国では、化学製品に集中している。特に、2008年以降、韓国の輸入規制を実行した27カ国の平均措置件数が0・57件であるのに対し、米国はトランプ政権発足初年度の2017年だけで8件発生した。今年も鉄鋼分野(大口径鋼管)の相殺関税調査を新たに始めた状況である。
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