◆現代経済研が報告書、革新成長実現への産業政策を分析◆
現代経済研究院は報告書「革新成長を実現するための産業政策4大方針」を発表した。文在寅政権は所得主導の成長を強調しているが、国家財政と企業の富を分配する政策としては持続の可能性が低い。このため補完策として登場したのが「革新成長」だ。所得主導成長が需要側面なら、革新成長は供給側面の戦略をいう。政府は革新成長を経済政策における3大原則の一つとして提示しており、その概念や実戦略への関心が高まっている。革新成長は、成長の供給側面を強調した戦略であり、政府と民間の第4次産業革命の対応と密接にリンクしている。本研究では、国政目標としての革新成長登場の背景と概念から技術革新成長のための産業政策方向を提示するものである。
革新成長登場の背景は、国内経済が本格的な低成長局面に入りつつあり、新たな成長動力が切実に求められているためだ。国内の1人当たりGDPは2006年に2万㌦に到達した後、12年後の今年は3万㌦を超えると予想されるが、日本(5年)、ドイツ(5年)、米国(9年)などと比べると、やや遅い速度である。
過去に経済成長を牽引してきた自動車、鉄鋼、造船などの主力産業が低迷期に入ったが、これに代わる新たな成長動力の登場は、はるかに遠い状態にある。長期的な経済成長を牽引するのに必要な国際競争力指数は、2007年の世界11位から2017年に26位、同期間の革新指数は8位から18位に下落した。
国民が体感する経済幸福指数も低い状態にとどまっている。OECD(経済協力開発機構)が発表した、より良い暮らしを示す経済幸福指数は、2011年にOECD加盟国中24位から2017年は29位に下落しており、現代経済研究院が調査する経済幸福指数も最近10年間は30~40点台の低スコアの横ばいが続いている。
第4次産業革命によるグローバル産業構造の再編は、低成長基調を打破することができる非常に重要な機会である。国内経済の占める付加価値の割合が高く、産業の変化の程度が大きいと予想される製造、流通、金融などが経済の革新的な変化を主導するとみられる。こうした背景の中で、革新的な成長は、技術、産業、人材、制度など、
つづきは本紙へ