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2018/04/20

<Korea Watch>中国の産業競争力強化に備えよ

◆現代経済研が報告書、習近平政権の長期化と韓中経済関係を分析◆

 現代経済研究院は、報告書「習近平・中国国家主席の長期執権の可能性と韓中経済関係の方向」を発表した。昨年10月の第19回中国共産党全国代表大会で、習近平・国家主席の名前が明記された「新時代・中国特色社会主義思想」が党章に盛り込まれた。今年3月に開催された全国両会(全国人民代表大会と全国政協会議)では、国家主席の連続2期10年までとする任期制限を削除する改憲案が通過した。この報告書では、習近平・国家主席の長期執権の可能性が対中経済依存度の高い韓国経済に及ぼす影響を部門別に点検する。

 韓中経済関係を交易、投資、インフラ協力、金融協力、企業競争力、人的および文化コンテンツ交流の6つの側面でみると、①交易 韓国の高付加価値品目への偏重がさらに進む見通しだ。韓国の対中輸出依存度は胡錦濤時代の第1期、第2期にそれぞれ20・9%、23・9%で20%を上回り、習近平政権に入ってから上昇傾向が続いている。ただし、習近平政権期には対中輸出品目のうち電子集積回路(半導体)、液晶デバイスなど高付加価値品目に対する輸出依存度がそれぞれ42%、69%に急上昇し、特定品目への偏重が深化している。

 ②投資 対中ビジネスの環境改善によるサービス業拡大が期待される。中国のGDP(国内総生産)に占める第二次産業の比率は2000年の45・5%から昨年40・5%に低下したが、サービス業の比率は39・8%から51・6%へ急激に上昇。これに伴い、中国のFDI(海外直接投資)に占めるサービス業の比率も、08年の49・7%から昨年65・3%に急上昇した。ただし、昨年の韓国の対中直接投資に占めるサービス業比率は約27%で、同年の対米サービス業比率93%を遥かに下回っている。

 ③インフラ協力 一帯一路事業の参加を通じた機会拡大が期待される。中国の一帯一路関連の海外請負プロジェクトの売上総額は14年で644億㌦だが、昨年855億㌦を記録。同期間、新規締結プロジェクト規模は約2倍増加した。韓国の海外建設受注の約78%が一帯一路の沿線国だが、まだ中東に偏重する様相をみせている。

 ④金融協力 韓国内の中国元の需要が持続的に増加すると予想される。現在、韓中間で締結した通貨スワップは560億㌦(3600億元)で、中国および韓国が締結した全体通貨スワップのそれぞれ約11・8%、45・8%だ。


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