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2018/06/15

<Korea Watch>成長率2・8%の見通し

◆LG経済研が報告書、2018年の国内外経済を分析◆

 LG経済研究院は報告書「2018年国内外経済展望」を発表し、韓国の今年の経済成長率は昨年よりやや低い2・8%とする見通しを示した。第1四半期の反動で伸びが高まったが、第2四半期から前期比1%の成長を維持することは難しいと予想される。上半期に比べ、下半期は年末に向かうほど成長は減速し、来年は2%台半ば程度に成長率が低下する見通しだ。

 労働市場は、高齢化に伴う経済活動人口の減少が本格化し、雇用創出に否定的な影響を与える見通しだ。生産年齢人口が減少し、教育サービスや住宅建設不振で労働力の需要も鈍化、就業者の増加数は昨年より10万人ほど減った20万人程度になると予想される。成長鈍化で消費者物価は1%台半ばの低い上昇率を維持する見通しだ。国内景気の低迷にも関わらず、経常収支は黒字を続け、米国のドル安政策によって、今年の対ドル平均レートは1㌦=1060㌆程度を持続するとみられる。

 世界金融危機以降、国内景気と世界景気の関連性はやや弱くなった。主要国が内需中心の成長を重視するため世界貿易が萎縮し、輸出が成長を導く役割が薄れてきたためだ。近年は低迷成長が続く中、住宅建設投資に基づいて景気の流れが定まっていた。しかし、昨年はグローバル投資が拡大し、資本財と中間財を中心に世界貿易が増え、輸出と投資につながる肯定的な流れが再開した。昨年の国内経済成長率は3年ぶりに3%台の成長を回復したが、投資の役割が大きかった。投資は2000年以降、最大の増加を記録し、昨年の成長寄与率が84%に達した。

 産業別にみると、半導体景気が投資拡大に重要な役割を果たした。世界市場における需要の拡大と供給の制約で、半導体価格が急騰し、輸出が増えた。これにより、大規模設備投資が行われた。昨年は、中間財の中でも、特に半導体部門の設備投資が大規模に実施された。

 第4次産業革命によるIT投資拡大に伴い、半導体の需要が増えた一方、これまで市場の構造調整に伴う寡占化で生産能力は制限されている。今年もメモリー需要が継続的に増え、韓国の輸出をリードする見通しだが、昨年大規模投資が実行されており、投資増加率は大きく低下する模様だ。また、不足していた供給能力がある程度満たされ、半導体単価の上昇も今年下半期中には落ち着くことが予想される。


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