◆現代経済研が報告書、輸出入集中の現状と問題点を模索◆
現代経済研究院は報告書「輸出入集中の現状と問題点」を発表した。主力商品の輸出実績で半導体の割合が高くなり、主な輸出市場である中国、ベトナムへの偏り現象が深刻化し、輸出品目、輸出地域の集中度を示す指標が統計作成以来、過去最高値に達した。特定の品目や地域への輸出依存度が高くなったことを意味する。
専門家は、急速に変化する世界経済の状況に応じた不確実性に備えるためには、輸出品目と地域の多様化が急がれると指摘した。韓国の輸出は増加傾向を維持しているが、多くの脆弱性を内包している。
特に特定品目に偏る輸出構造が憂慮される。韓国が国全体の輸出で半導体が占める比重は2016年の12・6%から2017年17・1%、2018年20・3%へと急増した。本報告書では、韓国の輸出と輸入を集中度の側面から品目別、地域別に区分して調べ、示唆点を導き出した。
産業の集中度を計算する際、一般的に使われるハーフィンダール・ハーシュマン指数を利用して品目別の輸出、地域別の輸出、品目別の輸入、地域別の輸入の4種類の側面から集中度を計算した。同指数が高いほど特定品目(地域)で輸出入が集中することを意味し、同指数が低くなれば特定品目(地域)で輸出入の集中度が緩和されることを意味する。
最近の品目別輸出集中度は統計を開始した1977年以来、最高水準に達した。品目別輸出集中度は2010年に1204㌽に大きく上がって以降、低下傾向にあったが、2017年と2018年には、それぞれ1218㌽、1210㌽と再び急増した。2010年の輸出集中度の上昇は、船舶の輸出占有率上昇に起因する。
輸出が急増した造船業は2010年以降に停滞し、2012~2016年の輸出景気鈍化が一定部分の原因として作用した。
現在の輸出における半導体依存度の急増は、今後半導体景気の鈍化時に、過去の造船業の事例と似た輸出下方圧力として作用する可能性が高い。
一方、地域別の輸入集中度は低下している。2000年代初めの輸入額で中心を占めた日本や米国、サウジアラビアなどからの輸入比重は44%から、2018年には26・3%まで減少した。チリをはじめ、ASEAN(東南アジア諸国連合)、インド、ベトナムなどとのFTA締結によって輸入国が多角化し、特定地域からの輸入偏り現象が緩和した。輸入品目が原材料に偏重する現象は相変わらずだが、原材料需給の安定的確保のための輸入地域多角化の努力は成果を見せた。
つづきは本紙へ