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2018/09/21

<Korea Watch>揺れる韓国の成長動力

◆現代経済研が報告書、高付加価値産業の経済寄与度を分析◆

 現代経済研究院は報告書「高付加価値産業、成長潜在力の向上で経済への寄与度を高めよ」を発表した。それによると、韓国の高付加価値産業の成長力が鈍化し、国内総生産(GDP)比では高付加価値産業の割合が中国に逆転されたことが分かった。また、高付加価値産業の輸出競争力が停滞し、雇用創出力も主要国に比べて低調だった。2008年の世界的な金融危機以降、韓国の付加価値増加傾向は主要国に比べて大きく弱まった。2002~08年と2010~16年に分けて全産業と製造業の年平均の総付加価値増加率を比較した場合、製造業は韓国が3・7㌽下落した半面、ドイツは1・2㌽増加、日本は0・8㌽増加した。米国は0・5㌽下落と微小だった。全産業も同様に韓国の付加価値増加傾向(2・1㌽減)が最も大きく鈍化した。

 成長の勢いが弱まっている国内主力産業の再活性化のために、韓国は技術集約度が高い高付加価値産業中心の体質改善が急がれる。本稿では主要国が産業政策を競って推進したグローバル金融危機以降から最近までの韓国の高付加価値産業の現況と競争力の変化を米国、日本、ドイツ、中国と比較し、示唆点を提示する。高付加価値産業はOECD(経済協力開発機構)の知識基盤製造業と知識基盤サービス業を基準として定義し、高付加価値産業の成長力、革新的な潜在力ならびR&D、対外競争力および交易、雇用創出力、産業躍動性を主な競争国と比較・分析した。

 成長力では、国内高付加価値産業の付加価値創出力が2014年を頂点に弱まるなど、成長力が鈍化しているだけでなく、高付加価値産業の比重もドイツと中国に逆転された。韓国の高付加価値産業の付加価値は2014年に約5000億㌦で最高点に達した後、2016年までに2年連続して減少しただけでなく、2015年には35・6%に達したGDP比の高付加価値産業の割合も2016年には34・6%に1㌽下落した。半面、2000年代中盤まで30%を下回っていた中国のGDP比の高付加価値産業の割合は、2016年に35・2%と韓国を追い抜き、改善傾向となったドイツも中国と同水準まで上昇した。

 R&D投資からみた革新潜在力は、主要国に比べて高く評価できるが、先端技術製造業部門は急激に弱まっている。企業のR&D投資を基準にした高付加価値産業のR&D投資増加率は、


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