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2018/11/02

<Korea Watch>求められる発電源の分散化

◆現代経済研が報告書、エネルギー転換のための課題を分析◆

 現代経済研究院は、報告書「成功的エネルギー転換のための課題~分散型電源の役割向上が必要~」を発表した。エネルギー変換の成功のためには、エコエネルギー化、送電網の知能化と発電源の分散化にも注目する必要があると指摘した。特に発電源の分散化の面で、再生可能エネルギーの普及と共に分散型電源の別の軸となる集団のエネルギー産業基盤を強固にすることに注力すべきと強調。電源の分散化で、電力需給の不均衡による地域紛争の緩和、送電損失の低減、微細粉塵の低減ならびに温室効果ガス削減などの効果が期待される。

 また、エネルギー転換とは、エコエネルギー化、発電源の分散化、送電網の知能化など、エネルギーの生産から消費に至る全過程での変化を包括する概念であるが、エコ化や知能化に比べ、分散化への関心は相対的に不足している状況だ。特に世界的な分散型電源拡大トレンドに合わせ、韓国政府も普及拡大政策を展開しているが、主要先進国に比べるとまだ不十分だ。このため、エネルギー変換を成功させるためには、再生可能エネルギー産業の育成、集団エネルギー産業基盤の整備、発電設備の拡大といった分散型電源拡大のための課題を優先すべきである。分散型電源は、電力の需要と供給の地域間不均衡によって発生する可能性のある問題点を緩和できる重要な手段であり、特に需要地域付近に位置する電力需要者が供給過程で発生する外部費用を直接負担するため、地域間葛藤の緩和が期待される。

 また、分散型電源は、需要地の近くに位置しているため、電力を生産地から消費者に送る過程で発生するコストを節約できる長所がある。そして、需要地近くの小規模分散型電源が拡大した場合、長距離送電に伴うコストを削減し、社会的な利便性増大効果も期待できる。さらに、分散型電源は、主に再生可能エネルギー、天然ガスといった環境配慮型の発電源で構成されるため、微細粉塵の低減や温室効果ガスの削減効果が期待できる。したがって、分散型電源を拡大するためには、まずエコ化と分散化を同時に達成することが求められる。


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