◆現代経済研が報告書、所得再分配効果の国際比較を分析◆
現代経済研究院は報告書「租税財政政策の所得再分配効果の国際比較と示唆点」を発表し、低所得層の所得向上効果はOECD(経済協力開発機構)加盟国の平均に遠く及ばず、政府の所得再分配政策が必ず改善されなければならないと指摘した。所得再分配政策とは、所得の不平等を減らすために施行する各種経済政策を意味する。また、政府は租税制度や政府支出、社会保険などの手段を用いて所得分配を調整する。
所得格差は社会の統合力を弱化させるだけでなく、最終的に経済成長率を阻害するため、租税財政政策の所得再分配の役割は大変重要だ。調査では、政府の租税財政政策の効果を把握するために、OECD加盟国を対象に租税財政政策前後の低所得層人口の比重差と所得差を比較した。また、低所得層人口の比重差を通じた貧困脱出率と低所得層の所得差を通じた所得改善効果を分析した。また、韓国の所得再分配効果を諸外国と比較しながら、原因を分析して示唆点を導き出す。
近年の韓国の所得基準のジニ係数は、2006年の0・330から16年には0・353に悪化しており、今後は所得再分配政策の重要性が増す見込みだ。
調査によれば、韓国の租税財政政策による貧困脱出率は、OECD加盟国28カ国中で最低だった。また、再分配効果を上げるには、いくつかの福祉問題をめぐる社会的合意の形成が優先されるべきだ。OECD加盟国の租税財政政策による貧困脱出率は平均64・1%に達する一方、韓国の貧困脱出率は19・5%に過ぎない。貧困脱出率とは、市場所得基準で低所得層だった人が可処分所得基準で中間層や高所得層に移動した人の割合を意味する。
また、低所得層の所得向上効果もOECD加盟国平均が62・1㌽であるのに対し、韓国は11・5㌽にとどまった。年齢層別の分析でも高齢層(60歳以上)において、韓国の貧困脱出率と低所得層の所得改善効果がOECD加盟国平均との格差をさらに広げた。
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